今年1月に9年振りとなるニューアルバム『光のなかに立っていてね』とライブリミックスアルバム『BEACH』を同時リリースした銀杏BOYZ。リリースに先駆けて昨年末にPVが公開された曲を紹介します。
駅で流れる発車の合図やショッピングモールのジングルを思わせるキーボードのイントロから始まって、そこに加わるギターのカッティングとタンバリン。さらにはメンバー曰く「レニ(The Stone Roses)のビートを意識した」というグルーヴィーなドラム。世代によっては90年代のJポップ(スキップカウズとか)を思い起こす人もいるのではないでしょうか。
しかしこの曲の魅力は何と言っても、せつなく甘酸っぱいメロディーにあります。峯田和伸のこれまでのソングライティングの集大成とも言える、ヴァースからブリッジ、コーラスに至る流れるようなコード展開は、王道のコード進行を使った「なんちゃって美メロ」の多い昨今の音楽(洋・邦問わず)の中でも異彩を放っています。
メロディーだけでなく、『電車も PARCO もキラキラしてんだ』『でもあの子さえいれば ドニ・ラヴァンみたいに POP になれんだ』なんていう、センチメンタリズム溢れる歌詞も秀逸だし、長澤まさみ他1283人の女の子が出演したビデオもキラキラしててとても素晴らしいです。
※音楽が始まる4:00から再生されますが、PVもぜひ初めからどうぞ。
残念ながら現在メンバーは峯田和伸のみとなってしまいましたが、いつかこの曲をライブで聴いてみたいです・・・。
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実はこの曲に出会ってから1ヶ月半近く、Spincoasterに投稿するか否かずっと迷っていました。銀杏BOYZは峯田和伸の持つそのカリスマ性から、一部のファンの間では神格化されているようなイメージを抱いていて、これまで銀杏BOYZのことをあんまりよく知らなくて完全に後追いな自分が紹介するのはとても気が引けたんです。でもやっぱり、この1ヶ月半の間、この曲は一瞬も僕の心をとらえて離さないほど最高で、ちょっとタイミング的にはズレましたが取り上げることにしました。「9年前は銀杏好きだったけど今はもう青春パンクとかはいいや・・・」っていう人は逆に、ぜひ聴いてほしいです。
(Text by deidaku)