英ロンドンを発のコンセプチュアルなレーベル〈PC Music〉の中核を担うプロデューサーであり、近年ではCharli XCXやCashmere Cat、そして安室奈美恵とのコラボでも大きな話題を集めたSOPHIEが、新曲「It’s Okay To Cry」のMVを公開しました。
単独ソロ名義の新曲としてはおよそ2年ぶりとなる本楽曲。まず何よりも本人と思しき人物が上裸でエモーショナルに歌い上げるそのMVにもド肝を抜かれつつ、そのサウンドの方もこれまでのミニマルかつエッジの効いたサウンドから大幅に路線を変えた大仰な楽曲にもぶったまげです。
しかし、感情的な(おそらく)本人歌唱によるボーカルとは裏腹に、高揚感を煽るようなトラックを彩る音色の数々は、これまで同様人肌を感じさせない無機質な質感で統一されているような気がします。
「私はあなたを批判するつもりはない/あなたはそれを恐れている」というまるで自分に語りかけるかのような一節からスタートするこれまた叙情的な歌詞、そして1stアルバムでもありシングル・コレクションでもあった『Product』というタイトルに象徴されるような、人工的な製品、物的なイメージ・ヴィジュアルとは明らかに異なる方向性を提示してきた本楽曲は、SOPHIE本人の心情をストレートに曝け出したものなのか、はたまたアイロニカルな表現法なのか、それともそのどちらでもないのか……。もうしばらく様子を見てみたいと思います。
なお、本MVはSOPHIE本人とNicholas Harwoodによる共同ディレクション。さらに、SOPHIEは10月24日にロサンゼルスで開催される”Red Bull Music Academy Festival”にて久方ぶりのライブを披露するそうです。こちらも各メディアからの注目される、貴重な公演となりそうです。