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Lady Leshurr / Queen’s Speech Ep. 5


気鋭のグライムMCによるフリースタイル・シリーズの完結編!?

2016.01.04

イギリスはバーミンガム出身のグライムMC、Lady Leshurr(レディ・リーシャー)が新曲「Queen’s Speech 5」を公開しました!

この曲は、彼女が昨年から続けてきたフリースタイル・シリーズ「Queen’s Speech」の 最終回、“Episode 5” に当たるもの。12/29の公開から時を経ずして直ぐに、「2015’s Crowning Freestyle(2015年最高のフリースタイル)」と評したSpinを初め賞賛を浴びております。2009年辺りから活動を続けてきた彼女ですが、特に昨夏公開された “Episode 4” はサムスンのCMでも使われ彼女の名前がアメリカにも広まるきっかけにもなり、ここ数年で再燃の兆しを見せているUKのグライム・シーンの注目株の一人ともなりました。

Missy ElliottやNicki Minajといった名前がよく引き合いに出される彼女ですが、このウィットに富んだスタイルはAzealia Banksなんかも髣髴とさせますね。また、バーミンガム生まれと聞いただけでも独特のアクセントを想像したくもなりますが、カリブ海のセント・クリストファー島生まれの両親を持つこともあり彼女のラップにおけるその個性は更に際立っています。

Episode 4ではリピートされる「Brush Your Teeth !」というフックが強烈でしたが、今回のコーラスでも「their lips look like crispy bacon(あの女たちの唇はパリパリのベーコンみたい)」とその毒舌具合は絶好調。「Crizzpy! / Crispy Bacon」というパンチのある掛け合いが最高です。

その時々トレンドとなっている事柄を取り入れるラップがこのシリーズがウケているポイントの一つでもありますが、今回はAdeleのHelloの歌詞を引用(*1)。他にもハッシュタグ・ラップ(*4)を使って、最近では本業よりも欧米で大人気のソーシャル・メディア「Snapchat」で大人気を博しているDJ Khaled(詳しくはこちらでよくまとまっております )ついて言及(*2)したり、自身のラップ・ゲームにおける地位(Crown)を、誤って別の候補者にクラウン(Crown)を与えてしまったことも話題になったミス・ユニヴァース2015になぞる(*3)など彼女のフリースタイルの巧みさには拍車がかかるばかり。(他にも「Akon / Trey Songz / Drake song」でライムしていたり本当に面白いです…!)

*1 (1:45)
Like, hello, do you hear me? I’ve been dying to let you know that you’re the biggest wasteman
*2 (1:55)
Just when they thought I was done / I gave them another one, DJ Khaled
*3 (2:12)
I took the crown, Miss Universe
*4 それぞれ例えば「another one like DJ Khaled」、「crown like Miss Universe」とラップしてもよいところを、「like」の代わりに「,(ポーズ)」を入れています。

また、いつも通りの道路を歩きながらラップするシーンを収めたMVは先月彼女がLil Wayneのツアーのサポートで訪れていたLAで撮影されていたようですが、アメリカでもコアな人気を獲得し始めている彼女の今後の動きに注目です。
前述のとおり彼女のブレイクのきっかけとなったEpisode 4も合わせてどうぞ。

(Text By Daichi Yamamoto)


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