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特別対談 | KIRARA × tofubeats


音楽を作る楽しみと喜び、そして反骨精神。日韓電子音楽家が語り合うシーンの現状と未来

2026.08.13

韓国・弘大(ホンデ)を拠点とする電子音楽家のKIRARAと、長らく地元・神戸を拠点に活動を続けてきたtofubeats。昨年の初対面をきっかけに親交を深めた2人は、tofubeatsの最新作『Angels On The Dancefloor』でKIRARAがリミックスを手がけるなど、音楽を通じて互いに刺激を与え合っている。

そんなKIRARAは先日『FUJI ROCK FESTIVAL’26』にて、今年2度目の来日パフォーマンスを行った。最終日の深夜、RED MARQUEEに登場したKIRARAは、メロディアスなフレーズと暴力的な電子音が同居する「きれいで強い」エレクトロニックサウンドで満員の会場を大きく揺らした。

Spincoasterではフジロック出演翌日のKIRARAをキャッチし、tofubeatsとの対談インタビューを実施。それぞれの音楽シーンで電子音楽家として活動していくうえでの苦悩や現状を変えようとする姿勢、そして音楽を作り続ける喜びや反骨精神について。国境を越えて共鳴する2人の音楽家による対話をお届けする。(編集部)

Interview & Text by Shoichiro Kotetsu
Interpreted by Kim Dejong
Photo by Koichiro Funatsu

L→R:tofubeats, KIRARA

「音楽を作ることの楽しみと喜び」――両者の出会いと、共鳴する理由

――昨晩はフジロックに出演されていましたが、いかがでしたか?

KIRARA:いい意味で、『Incheon Pentaport Rock Festival(仁川ペンタポート・ロック・フェスティバル)』『DMZ(PEACE TRAIN MUSIC FESTIVAL)』といった韓国のフェスに出るときと変わらなかったです。私の活動が日本の方にも知られるようになったのは、まだ最近のことだと思うんですけど、それにも関わらず、多くのオーディエンスが私に味方してくれているように感じました。

――m-flo“come again”のリミックスを披露されていましたよね。

KIRARA:去年、あの曲のリミックスコンテストがあったんです(SURF Musicとm-floによる共同開催)。応募作のうちストリーミングでの再生回数の上位10名が入賞するという内容で、私のリミックスは11位でした。純粋なトリビュートの気持ちで参加して、m-floさんにリミックスを聴いてもらえると思っていたので、その審査方法や結果を悔しく思いました。

なので、若干の反骨精神のような気持ちで昨日は自分のリミックスをかけました。今後、日本で出演するイベントでは毎回のようにプレイしようと思っています。m-floさんが「しまった!」と思うまで続けたいですね(笑)。

※この取材の数時間後に、m-floの☆Taku TakahashiがフジロックでのKIRARAのパフォーマンスについて言及した。

tofubeats:そのコンテストとは別の、もっと昔のm-floのリミックスコンテストで、自分は「VERBAL賞」というのを取ったんですが、賞品のサングラスがダンボールに裸で入って届いたことがあります(笑)。

※参考記事:m-floデビュー20周年記念オリジナルアルバム「KYO」特集 コメント企画Vol.1(音楽ナタリー)

――(笑)。昨晩、KIRARAさんの出番の前にはLAUSBUBが出演していましたよね。彼女らのパフォーマンスはご覧になりましたか?

KIRARA:はい、ライブも観ましたし、少しお話もしました。Salamanda(韓国の電子音楽ユニット)とは3回も対バンしているそうで、Salamandaに嫉妬しました(笑)。LAUSBUBとSalamandaには多くの共通点があり、仲良くなるのは自然な流れだと思います。

LAUSBUBはこれまでになかった、新しい音楽を作っていると思います。衝撃を受けましたし、どういう音楽をリファレンスとしているのか、興味があります。彼女たちとどうやって仲良くなるかが、私の課題です(笑)。

――トーフさんとKIRARAさんがお互いを認識したり、知り合ったタイミングを教えてください。

tofubeats:自分の友人たちがやっている『めちゃくちゃナイト』(日韓DJ共演イベント。2023年にKIRARAが出演)などを通じて、お名前は知っていたんですよ。

しっかり音源を聴いたのは、去年です。韓国の『Asian Pop Festival』に自分が出演することになって、同じステージに出るアーティストの曲をいろいろ聴いていたときですね。

KIRARA:私がtofubeatsさんの曲を初めて聴いたのは……23歳のとき、うつ病に悩んでいたのですが、友人が私を励ますために、一枚のCDを焼いてくれたんです。その中に、tofubeatsさんの“朝が来るまで終わる事のないダンスを”が入っていました。曲のタイトルがまるで文章のようになっているのが印象的でした。

tofubeatsさんは自分より上の世代の方だと思っていたのですが、昨年フェスで初めてお会いして、同世代だし、デビューした時期もほぼ同じだということを知って驚きました。私のこともよく知ってくれていて、優しくしていただいて、もうどうしていいかわかりません(笑)。自分とtofubeatsさんが知り合いだなんて、今でも現実感がありません。

tofubeats:こちらこそ、チング(친구/友だち)になれて光栄ですよ。“朝が来るまで終わる事のないダンスを”は、自分にとってもプライベートな悲しい出来事を経て作った曲だったので、その曲が巡り巡って悩んでたKIRARAにも聴いてもらえたっていうのは、すごく嬉しいです。

――トーフさんは、KIRARAさんの音楽のどういった点を魅力に感じますか?

tofubeats:聴いていて、あきらかに同世代の人間っぽいな、と感じるところがまずひとつ。それから、自分が今着ているこのKIRARAのTシャツに「音楽を作ることの楽しみと喜び」というメッセージがハングルと英語で書いてあるんですけど……。

取材当日、KIRARAのTシャツを着用してきたtofubeats

tofubeats:実際、KIRARAは音楽講師(音楽制作ソフト・Ableton Liveの講師)的な仕事もやっていますよね。そういう人なので、会う前から話が合わないわけがないって確信していました。

KIRARA:tofubeatsさんも私も、基本的に明るい音楽を作っていると思います。暗いテーマでも明るく表現する、という共通点があるように感じますね。

tofubeatsと取材チームからのお土産に喜ぶKIRARA

韓国で電子音楽家として活動する難しさ

――トーフさんの新作『Angels On The Dancefloor』に、KIRARAさんがリミックスで参加されましたよね。KIRARAさんには、どのようなオファーを?

tofubeats:去年お会いしたときに、リミックスをお願いすることは約束してて。韓国における「渋谷系」の文脈※1も踏まえつつ、今回の自分のテーマが「J-CLUB」だったので、KIRARAなりの「K-CLUB」をやって欲しい、ということをお願いしました。

※1:韓国でもPizzicato FiveやFlipper’s Guitarといったバンドを「Shibuya-Kei(渋谷系)」として愛聴する音楽ファンは存在するが、韓国においてはFPMやm-floなど、日本のポップなクラブミュージック(J-CLUB)も「Shibuya-Kei」と呼ばれている場合が多い。

KIRARA:そう、韓国でいう渋谷系は日本と少し違うらしいですね。リミックスについては、tofubeatsさんからJ-CLUB、そしてK-CLUBといったコンセプトを聞きました。しかし、韓国で「K-CLUB」と言った場合「江南(カンナム)のEDM」というニュアンスになるんです(笑)。

tofubeats:そうなんや、オモロいな(笑)。

KIRARA:なので、最初は「江南EDM」風のリミックスも作ったのですが、やはり改めて「J-CLUB」風のものを作りました。

――それで言うと、KIRARAさんの音楽は、韓国でどのようにカテゴライズされていますか。

KIRARA:うーん……とても難しい質問です。まず、韓国で電子音楽を作っている人たちは、主に乙支路(ウルチロ)か梨泰院(イテウォン)に集中しています。私の拠点である弘大は、ロックやフォークの人たちが多いんです。

私の場合、スタイルが電子音楽であるというだけで、精神的にはロックをやっているんだと思います。だから、例えばCakeshop(韓国・ソウルの人気クラブ)などに出演しても、自分が「電子音楽」の人と呼ばれることにまだ慣れていない部分があります。

tofubeats:でも、ライブでは「電子音楽」とハングルで書かれたシャツを着てましたよね。

KIRARA:あれも自分に言い聞かせるように、アイデンティティを固めるためなんです(笑)。ロックスピリットというか、いつも悔しい気持ちを忘れずに音楽を作っています。

tofubeats:でも、自分の地元・神戸もバンドの文化が強かったので、ちょっと似ているかもしれません。ライブハウスでバンドに混ざってDJするんですけど、DJが始まるとお客さんが座ったりする(笑)。

KIRARA:自分は音楽のジャンルやカテゴライズについて、真剣に考えると、どうしてもネガティブな意見になってしまうんです。

tofubeats:別のインタビューでも、シーンの仲間のためにも、あまりネガティブなことは言いたくないと言ってましたよね。

KIRARA:でも、今回は国外でのインタビューなので、全部言ってしまおうと思います(笑)。韓国で電子音楽を続けることは、なかなか大変です。自分はDJだとよく勘違いされます。音楽ライターからも「DJ KIRARA」と紹介されることがありました。私が「電子音楽家」だと強く主張するのは、そのためでもあります。正直、何をやっているんだろう……と感じる場面もあります。

私がtofubeatsさんを「先輩」として慕っているのも、韓国には電子音楽の先輩と言える人が、IDIOTAPEさんくらいしかいないからなんですよ。いい先輩から、いい影響を受けたいんです。

tofubeats:いやー、泣きそうです(笑)。ライブをDJだと勘違いされるのは自分も今でもありますし、自分の場合は実際、ライブとは別にDJも好きでやっているので、そう見られるのもわかるんですけど。

あと、自分の場合はありがたいことに、本当にいろんな先輩に可愛がられてやってきたんで、(先輩がいない)韓国のシーンというのがなかなか想像できないんですよ。

KIRARA:90年代末の韓国の音楽シーンでは、テクノが流行っていたんです。Lee Jung Hyun(이정현/イ・ジョンヒョン)の“와(Wa / Come On)”という曲がヒットして「テクノ」がポップミュージックにも入ってきたんです。

だから、電子音楽のアーティストが韓国に全くいなかったわけではないんですが、その先輩たちはその後「電子音楽は、韓国ではこれ以上は流行らない」と諦めて、もっと落ち着いた音楽や、映画音楽の方向に向かったんです。そういう音楽の方が、動く資本も大きいですから。

KIRARA:私は韓国で電子音楽がポップミュージックとしてもっと盛り上がることを諦めていません。例えば、私の最近の“Numbers(숫자)”という曲も、そういう気持ちで作りました。

韓国にも技術的に素晴らしい音楽家は多くいるし、電子音楽が生み出せない環境ではないんです。ただ、インディペンデント……つまり自分たちの独立性、自主性にこだわる人は本当に少ないですね。

tofubeats:なるほどなあ……。ただ(厳しいシーンだからこそ)ソリッドな作品が生まれる場合もあって、本当に難しいですね。

あと、日本だとDJかライブかどうかを、お客さんはそこまで気にしない気がしますね。「これはDJでしょ?」「DJでないなら何なの?」というのをハッキリさせたい傾向は、韓国のほうが強いのかもしれませんね。


電子音楽家としてのライブのスタンス

――トーフさんが以前、別の取材で「音楽を仕事にすることは、強制的に野山をかき分けながら進まされるようなもので、そこがおもしろい」と話していたのが興味深かったのですが、その話をKIRARAさんに説明していただけますか?

KIRARA:「強制的に」というのは、つまり人や環境に追い立てられて音楽を作る、ということですか?

tofubeats:そうですね。そもそも僕は「音楽をずっと作り続けたい」という風に学生の頃から思ってたんですよ。それから音楽が仕事になったんですけど、そうなると、まぁしんどいこともあるじゃないですか。何回もやり直しを求められたり、無理せざるを得ない場面もありますから。

そもそも音楽って作りたいときに作ればいいのに、仕事にすることで、ずっと作り続けることになるわけですよね。だから趣味で音楽を続けるより、仕事にしたほうが作る量も増えるだろうし、自分がやりたいとは思っていなかったタイプの音楽も作ることになったりする。それによって、自分の「範囲」みたいなものが広がっていくんですけど、それは自分が本当に作りたいものを作るときの「助け」になるんじゃないかと、あるとき気づいて。

音楽を作るおもしろさは何かと考えたときに、新しい自分を発見すること、というのがひとつあると思うんです。仕事として音楽を作っていると、そういう「新しい自分を発見する」ことが増えるんじゃないかと自分は思っています。

KIRARA:私にとって、外注の仕事は野山どころか「罠」のように感じることがあります(笑)。

tofubeatsさんのおっしゃっている感覚は、私の場合、生徒とのやり取りの中で感じているかもしれません。私が生徒に教えるだけでなく、私が生徒から教えられることが度々あります。例えば「ブレイクコア」みたいなジャンルは、彼らが教えてくれなければ知ることはなかったでしょう。

――KIRARAさんはAbleton Liveの講師をされているんですよね。トーフさんもLiveユーザーですが、他のソフトではなく、なぜLiveを選んだのでしょうか?

tofubeats:10代のときに出会った、imoutoidという友人がいたんですけど(2009年4月に18歳という若さで急逝)、本当に天才的なミュージシャンだなと感じたんです。そんな彼がLiveでライブをしていて、その影響で自分もLiveを買いました。後から話を聞くと、制作はLogicでやっていたみたいなんですけど(笑)。

KIRARA:韓国のアーティストでCaskerというグループがいて、韓国で最初のAbleton Liveの認定トレーナーだったんですよ。私はCaskerが好きだったので、それがLiveを使い始めたきっかけですね。私もその後、認定トレーナーとしてのプログラムを受けて、今ではもはや洗脳状態のように「Liveは素晴らしい」と言っています(笑)。

tofubeats:KIRARAが何かのショート動画で、制作に使うお気に入りのプラグインを紹介しているのがあって。他のプロデューサーは普通に「EQはFabFilter、リヴァーブはValhalla……」と、サードパーティの人気プラグインの名前を挙げる中で、KIRARAだけ全部Liveのデフォルトのエフェクトを挙げていて、めっちゃカッコよかったんですよ。その動画は記事に貼っておいてほしいです。

KIRARA:しかも、あれはプラグインの販促企画だったんですよ。最後に「みなさん、プラグインってそんなにいっぱい買わなくても大丈夫ですよ」と言ったら、流石にそこはカットされていました。もちろん、あえてやった部分もあるんですけどね(笑)。

――「電子音楽」のライブというのは、バンドやラップとは違う難しさがあると思うのですが、いかがでしょうか。つまり、打ち込みは打ち込みで完結していて、必ずしも「演奏」する必要があるわけではない。

KIRARA:なかなか明確な答えはないですね。例えば、あるシンセポップのプロデューサーには、DJミックスを流してブースで歌うことを「ライブ」と呼んでいる人もいます。「それはライブではなくDJなのでは?」という議論もありますよね。

だから結局は、アティチュードの問題になってくるのかなと思います。私はライブでMIDIコントローラーを使っていますが、それを触ることは私にとっては楽器の「演奏」と同じことだと思っています。

tofubeats:アティチュードの問題っていうのはその通りですね。自分の場合は、自分の曲しかやらないのであればたとえDJ機材のセットであっても、それはライブだと思います。実際には(DJ機材ではない)機材をいろいろ持ち込んで、つまみを触ったり、いろいろ操作はしていますが。

――KIRARAさんは、お客さんから見て真横を向いてライブをしますよね。あのスタイルには何か理由があるのですか?

KIRARA:ライブをするにあたって、人に何を見せられるか? ということを、いろいろ考えました。正面なら、まあ笑顔を見せるくらいのことはできます。ロックバンドの人たちは、ヘッドバンギングをしますが、正面よりも横から見た方が、動きのダイナミクスが大きいですよね。だから自分も、横を向いた方がより盛り上がる動きが見せられるんじゃないかと思ったんです。


反骨精神――KIRARAが音楽を作り続ける大きな理由

――KIRARAさんは坂本龍一さんのトリビュートイベントにも出演されていましたよね。坂本さんやYMOの音楽から影響は受けていますか?

KIRARA:はい。坂本さんの音楽は、和声の使い方、リハーモナイゼーションのやり方が素晴らしい。すごく複雑で難しいことをやっているはずなのに、聴いていてそれを感じさせない、心地良い響きになっている。そういうことをするには、非常に高い技術が必要です。

電子音楽を作る人で、特に東アジアにおいて、坂本龍一とYMOの音楽を聴かないなんていう人は、聖書を読まないクリスチャンのようなものだと思います。

tofubeats:すごい例えや(笑)。

――今回、改めてトーフさんからKIRARAさんに聞いてみたかったことはありますか?

tofubeats:KIRARAは別のインタビューで「自分の活動を通じて、いろんな音楽やシーンを知ってほしい」という風に言っていたんですけど、それは例えばどういうアーティストや音楽を紹介したいんですか?

KIRARA:具体的に「この人やこの曲を知ってほしい」というよりは、韓国の人たちの電子音楽全般に対する固定観念を変えたいという気持ちでそういう発言をしています。

例えばですが、韓国では数年前に、Burning Sunというクラブでの性暴力事件が表沙汰になりました。それからコロナの時期には(クラブの多い繁華街である)梨泰院での雑踏事故も問題になりましたよね。なので、どうしても「クラブ」というものには悪いイメージがついています。でも、実際にはそうではなくて、クラブには自分のようなミュージシャンもいるんだよ、ということを知ってほしい気持ちがあります。

tofubeats:なるほど、シンプルに「遊びに来てほしい」という願いだったんですね。

KIRARA:それと、ライブの告知をすると、「私は40歳ですが、行ってもいいですか?」というようなDMが毎回届くんです。たしかにハードルは高いかもしれないけど、恥ずかしがることなく、みんな遊びに来てほしい。そういう心配をせず、誰もがイベントに来れるような状況になってほしいですね。

tofubeats:自分のお客さんでも、50代で初めて(クラブに)遊びに来て、今では自分が出ていないイベントにも遊びに行ってる人がいますよ。

――逆に、KIRARAさんからトーフさんに聞きたかったことはありますか?

KIRARA:こういったことを聞かれるとわかっていたら、予め準備をしておきたかったのですが……(笑)。かなり具体的な話をいろいろと聞いてみたいです。例えば「この曲のこの音はどうやって作ってるの?」といった感じで。

tofubeats:全然お答えするので、いつでもDMとか送ってください。データもお渡ししますよ、秘密にしておくこととか一切ないんで(笑)。

KIRARA:たしかにtofubeatsさんは作曲工程を解説した動画をよく公開していますよね。私もそういった動画を公開しているので、そこも共通点だと感じています。

――ここまでお話を聞いていて、KIRARAさんはすごくミュージシャンとして反骨精神のある方だと感じました。その闘志はどこから来るのでしょうか?

KIRARA:それは私がトランスジェンダーであること、そして左翼だからだと思います。日本と韓国では「左翼」という言葉のニュアンスに違いがあるかもしれませんが。自分が反抗的な人間であることは疑いようがありませんし、私が音楽を作り続ける理由として非常に大きいと思います。

一方で、フジロックのような大きなイベントに出させてもらったり、いろんな国のお客さんに応援してもらってる今の状況は、ちょっとまだ信じられないような感じがします。

tofubeats:『Asian Pop Festival』でも、KIRARAが1曲目に韓国の民主化運動の歌※2を流していて、それも印象的でしたね。それはある意味自分のためのパフォーマンスというか、それに誓ってから自分のライブを始めるという「宣言」みたいなものだと思うんですけど。自分にはそういうバックボーンがないなぁということを、改めて考えさせられましたね。

※2:Kim Mingi(김민기/キム・ミンギ)の“Morning Dew(아침이슬/朝露)”。フジロックでのパフォーマンスも、同楽曲を流してから始まった。

KIRARA:私は幼い頃から、自分の家族も、学校も、国も嫌でした。20代の前半までは、デモや社会運動にも積極的に参加していました。今となっては、何がそこまで嫌だったのか? という気持ちもありますが……世の中はそう簡単には変わらないので、どうやって社会に慣れていくかを考えるのは大事だと思います。

ただ、30代になった今でも、若い頃のそういう反抗心は失いたくないし、確実に自分の心のどこかには残っています。だから、tofubeatsさんがおっしゃるとおり、“아침이슬(Morning Dew)”でライブを始めるのは自分のためにやったことですね。自分の大事な原点として。


【リリース情報】


tofubeats『Angels On The Dancefloor』
Release Date:2026.05.29 (Fri.)
Label:HIHATT LLC
Tracklist:
1. Angels On The Dancefloor
2. let me tell u
3. Be With You
4. Don’t Stop
5. Don’t You Know My Love? feat. 一十三十一 |Don’t You Know My Love? feat. HITOMITOI
6. 大丈夫 feat. 柴田聡子|It’s Okay (Daijobu) feat. Satoko Shibata https://tofubeats.lnk.to/daijobu
7. Angels On The Dancefloor – KIRARA REMIX
8. let me tell u – Micolas Mangia REMIX
9. let me tell u – Shinichiro Yokota REMIX

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tofubeats オフィシャルサイト

KIRARA オフィシャルサイト


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