INTERVIEW

Yunomi feat.TORIENA

クールなYunomiと情熱的なTORIENA。ネット上でのバズを巻き起こしたコラボ曲「大江戸コントローラー」は果たしてどのように生み出されたのか

昨年公開され、各方面で大きな話題を振り撒いたYunomi feat.TORIENAによる「大江戸コントローラー」。この度Yunomi feat.nicamoq名義でリリースされた『ゆのみっくにお茶して EP』に続く形で、〈ヴィレッジヴァンガードミュージック〉よりYunomi feat.TORIENA『大江戸コントローラー EP』が2月8日にリリースされる。

本作には「大江戸コントローラー」に続く形で発表された「惑星ラビット」の他に、 Yunomi feat.TORIENAの新曲となる「バンブーディスコ」、「さよならインベーダー」の2曲を収録。さらに、TORIENAによるオリジナル・トラック4曲のリミックスと、事前に開催したリミックス・コンテストにて選出されたリミックス4曲を収録した、全12曲というアルバム並みのボリュームとなっている。

2月1日には本作のリリースに1週間先駆ける形でプレ・リリパの開催が控えており、俄然注目が高まるYunomiとTORIENA。今回はそんなふたりにインタビューを敢行。ネット上を中心に大きなバズを獲得したコラボ曲「大江戸コントローラー」が生まれた経緯と、共同制作を通して見えてきたそれぞれのキャラクターについてなど、様々なことを語ってもらった。

Interview & Photo by Takazumi Hosaka

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―まずはYumomiさんが『ゆのみっくにお茶して EP』を出してからの反響や感想を聞かせてもらえますでしょうか?

Yunomi:やっぱり、今まではインターネット上をメインに作品を発表してきたので、インターネットでの反応はもちろん感じ取れてはいたんですけど、それ以外にも刺さった、というか伝わったのかなぁというのが一番の感想ですね。

―ヴィレッジヴァンガードでのインストア・イベントなども多数行っていましたよね。

Yunomi:はい。東京以外のお店にも行ったりしたので、その反響はもちろんありましたね。イオンとかでライブした時も、正直最初は「お客さん来てくれるのかな……?」って思ってたりもしたんですけど、意外と多くの方が観に来てくれて。もちろん一緒にインストア・イベントをやっていた能登有沙さんのファンの方とかも多かったとは思うんですけど、「こんなに東京から離れたところにも、ライブを観に来てくれるひとがいるんだな」っていう感じで、感動しました。あとはやっぱりフィジカルでCDをリリースすると、「聴いたよ!」って直接言ってくれる人も増えて。音楽とか一切関係ない友達から「おれの友達がYunomiを聴いてる」という報告もあったりして。これでちょっとはネットの外に出られたかなぁという感想です。

―では、早速ですが、今回リリースされる『大江戸コントローラー EP』でのコラボ相手であるTORIENAさんとの出会いをお教え頂けますか?

Yunomi:え〜っと……。

TORIENA:発端は私からで、元々nicamoqさんとは交流があったんです。ある日彼女がUPしていたBPM15Q(nicamoqと苺りなはむによるユニット。2016年12月にnicamoqが脱退。CY8ERに改名し、メンバーを増員、現在も活動を続けている)の楽曲のミックスを聴いて、その楽曲のクオリティに驚いて。私も曲を作るので「コンポーザーは誰なんだろう?」って気になって、彼女に「これ、誰がつくったの? もしかして自分が作ったの?」ってLINEで聞いたんです。そしたらYunomiさんという方が作っているということがわかり。そこですごい興味を持って、いつか何か一緒にやれたらいいなと思ってチェックし始めました。
その後、全く関係ない飲み会の席で、「Yunomiさんと何かやりたい!」という話をしてたら、たまたまその場にYunomiさんと繋がっているひとがいて、「連絡とれるなら今このタイミングでしないと!」と思い立ち、LINEで通話をしたんですよ。今回のコラボはそこからですね。

―YunomiさんはTORIENAさんの存在を認知したのはいつ頃でしょうか?

Yunomi:その4年くらい昔ですかね。

TORIENA:それで、すごくビックリしたんです。「すごいYunomiさんのことが好きなんです!」という話をしていたら、「いや、僕は以前からチェックしてましたよ」みたいなことを言われて、「え、マジで!?」って(笑)。
あの、私はSoundCloudを2012年くらいからやってるんですけど、アカウントを作って1〜2年後くらいに、可愛いアイコンのYunomiっていうひとがフォローがしてくれて。最初は可愛い女の子がSoundCloudで色々な人の曲を聴くために作った、いわゆる”聴き専”アカウントかなって思ってたんですけど、実はそれがYunomiさんで。「ああ、このアイコンがこの人だったのか!」って、その時初めて繋がりました(笑)。

―飲み会の席で行ったLINEの通話で、コラボしようという約束をしたのでしょうか?

TORIENA:どうでしたっけ……。その後もLINEでちょいちょい連絡を取り合っていて、どうやって作ろうかという話をしていたんです。一時は「お互いデータを交換し合って曲を作ろう」みたいな感じにもなったんですけど、結果的に色々あり、Yunomiさんの楽曲に私がボーカルで参加するという形になりました。
Yunomiさんはトラックメイキング歴も長いので、ちょっと勉強しようっていう思いもあり。

Yunomi:そうですね。最初は合作しようっていう方向で話していて、何かゆるやかなキャッチボールを何度かした記憶があります。それが穏やかに続いていた時、ある日突然、僕が飛行機に乗る前に思いついて作ったデモが「大江戸コントローラー」だったんです。

TORIENA:そうそう。東京から札幌に戻る飛行機の中で、「今から飛行機に乗るけど、なんかちょっとデモ作れたら作るね」ってメールしてくれて。「あ、やった。楽しみだな」と思ってたら、その1時間半後くらいに「大江戸コントローラー」のサビの部分だけみたいなものが出来てて。「うわ! はや!」みたいな(笑)。

―そこから今の「大江戸コントローラー」に辿り着くことになったんですね。TORIENAさんは最初にそのデモを聴いた際、どういう感想を抱きましたか?

TORIENA:流石だなと思いましたね。それを原案にして、徐々に肉付けしていき。

Yunomi:締切とかスケジュールなどは決まっていなかったので。時間があったり、やる気がある方がそれぞれのタイミングでポンと作ろうみたいな、そういう感じだったんですけどね。

TORIENA:そうですね。あと、それくらいの時期に、まだちゃんとリアルでは会ったことがなかったんですけど、ちゃんと実際に会ってお話しもしました。私は他の人と一緒に何かやるときは、相手の方のひととなりまで知りたいタイプなので、深い話とかしたいなと思っていて。まず、私のことを全部出したんですよ。それまでの生い立ちとかその時の心境とかを全部。ワーって。

Yunomi:TORIENAさんの人生の50%くらいを聞かせてもらった気がします(笑)。

TORIENA:半生を(笑)。そしたら「よし、わかった」みたいな感じで、ミステリアスなYunomiさんがご自分のことを少しだけ話してくれて。

Yunomi:それが昨年の3月くらいで、4月には実際に僕の家でTORIENAさんのボーカルを録音していますね。

―「大江戸コントローラー」の歌詞に込められ思いなどは、事前に共有されていたのでしょうか?

TORIENA:私は今は東京に住んでるんですけど、当時はまだ京都にいて。やっぱりYunomiさんも私も上京したいっていう想いがあったんですよ。音楽活動をしていると、最終的にはどこかで絶対東京に憧れを抱くんですよね。ライブとかで月に何回も東京に行ったりしてるっていう状況が結構大変だったりもするので。でも、一応就職とかもちゃんとしたりとか、もう結婚もしてるし……。それでも、やっぱりこのまま京都にいたくないというか。そういう悶々とした思いをお話しました。

―「大江戸コントローラー」の歌詞には、そういうところからインスパイアされたという部分はあるのでしょうか?

Yunomi:そうですね。物語の舞台は本当にSFというか、作り話ですけど、そこに登場する人物には、きっとその時のTORIENAさんが反映されていると思いますね。

TORIENA:私は結構アンダーグラウンドなシーンからジワジワやってきたっていう出自があるので、その時「セルアウトしたいけど、思い切れない」みたいなもどかしい気持ちがあったんですよ。そういう気持ちもYunomiさんに全部伝えたんですけど、その後Yunomiさんが作ってくれた歌詞を見せてもらった時に、「君の本当の歌/聴かせて」という一節が、Yunomiさんからのメッセージなのかなと感じてしまって、すごい感動したんですよ。
あんまり歌詞のことに関して作り手が話すと、イメージが固定されちゃうような気がして、どうなのかなっていう風にも思うんですけど、個人的にはいち受け取り手として、夢を追ってる人に対しての応援というか、エール的な気持ちも入っている歌詞なんじゃないかなって思うんですね。色々な現実とかに押しつぶされそうになるけど、その中でもやっぱり自分が信じた道を突き進んでいく人に対しての、メッセージ性が強い歌詞だなと。だから、私は「大江戸コントローラー」の歌詞はすごい好きで、思い入れがあります。

―本当に素晴らしい歌詞ですよね。今TORIENAさんがおしゃっていた解釈に対して、Yunomiさんはどう思いますか?

Yunomi:いいと思う。本当にいろんな状況の人がいるから、誰かには刺さるし誰かには刺さらないということは必ず起きる。その中でもTORIENAさんの話を聞いて、そういう風に悩んでいる人がいるんだってことがわかったからこそ書けた歌詞ですね。

―レコーディングの際、TORIENAさんのボーカルに対してディレクションした部分はありましたか?

Yunomi:その時初めてTORIENAさんの生歌を聴くっていう感じだったので、「どうくるのかな」と思っていたんですけど、何もディレクションせずともしっくりハマってくれて。

TORIENA:私も基本一人でやっているので、ディレクションされることとかも初めてだったんです。「大江戸コントローラー」はYunomiさんが作詞作曲しているし、なるべくYunomiさんのヴィジョンに寄り添いたかったので「どうすればいいですか?」って聞いたんですけど、「自然な感じで」って言われて(笑)。

Yunomi:何か……自分の置かれている状況とかに「負けたくねえ」みたいな、そういう気持ちがこもってるような気がするんですよね。歌声とか歌い回しとかに。なので、初めて聴いたときに、僕はもう何もしない方がいいと思ったんですよね。

―TORIENAさん的には今回のYunomiさんとのコラボの反響というのは、どのような印象でしたか?

TORIENA:私はチップチューンというジャンルでずっと活動していて、その中でもわりと硬派というか、渋めでずっとやってきたつもりなんです。なので、Yunomiさんのポップでキャッチーな、多くの人に届きそうなサウンドとコラボレーションすることができて、チップチューンに詳しい方以外にも認知して頂けたかなって思います。あとは、ボーカルだけの参加っていう経験も今までなかったので、昔から応援してくれている方々にも新しい一面をみせることができたかなって。
ちょうど私の中でも「変わりたい」とか、「もっと色々なひとに届けたい」っていう気持ちが芽生えていた頃だったんです。そういう意味でも、今回のYunomiさんとのコラボはタイミング的にも良かったんだなって、今となっては思いますね。

―7月に開催された”BOUNCE UP”がおふたりで一緒にやった初のライブですよね。そして今回の『大江戸コントローラー EP』にも収録されている「惑星ラビット」は、あのイベントへの出演に向けて制作されたんですよね。

TORIENA:そうですね。イベント出演することが決まって、「新曲作ったらきっと喜んでくれるよね」って感じで。

Yunomi:オファーの内容自体が、ここでしか見れないようなスペシャルな組み合わせにしたいっていうことだったので、だったら僕らも新曲持っていこうか、と。

TORIENA:気合入れていこうぜ、みたいなね。自分一人でライブする時とはお客さんとかの雰囲気も違って楽しかったですね。

―「惑星ラビット」はかなりアップテンポな曲で、個人的にはTORIENAさんのキャラクターや音楽性に引っ張られたのかなという印象を受けました。

Yunomi:それもありますけど、純粋に早い曲が欲しいなと思ってたんです。ドラムンベースというか。

TORIENA:聴いた瞬間「またきたー!」って思いました(笑)。ゆのもきゅ(Yunomi feat.nicamoq)の時はわりと可愛らしい印象なんですけど、ゆのえな(Yunomi feat.TORIENA)としての曲としてあがってくるものは、バラエティに富んでいながらも、いつもドロップ後が尖ってたりとかして、「こうきたか、おもしろいな〜」って。

―「宇宙」をテーマとした世界観の繋がりというのは、やはり当初から意識されていたのでしょうか?

Yunomi:それはありますね。「惑星ラビット」を作っている段階で3曲目、4曲目もっていうのはぼんやりと考えていて。

―非常に不思議な世界観ですよね。

Yunomi:そもそもテーマは先にあって、田舎から上京する—その上京っていうのは「夢のためになにかを犠牲にする」というもので。夢を叶えるためになにかを犠牲にしつつも、自分の信じた夢を追いかけることができるか、みたいな。そういう葛藤をしている方々へと向けた、「夢を追いかけることは間違ってないんだよ」という感じのメッセージですね。じゃあそれをどう表現しようかなって考えたときに、地方から東京にくるというのは味気ない話で、演歌みたいになっちゃうなと思ったので、そしたら……「じゃあ、宇宙か」って(笑)。

―「東京」じゃなくて「大江戸」になったのは語感がいいから?

Yunomi:そうですね。あとはまぁ、そもそも実際の現代の東京を舞台にしているわけではないというか。ただ首都というものを表すために「大江戸」というキーワードを使いました。『大江戸コントローラー EP』の3曲目「バンブーディスコ」には「ニュートーキョー」っていう言葉が出てくるんですけど、やっぱりそこでは世界観が繋がってるんですね。1曲目の「大江戸コントローラー」から3曲目の「バンブーディスコ」の間には、実はかなりの年月が経ってるという裏設定があるんです。その実際の東京ではないけど東京のような都市が、どんどん衰退していってしまうというストーリーで。

―では、あくまで解釈のひとつとして、「さよならインベーダー」についてもお訊き出来ますか?

Yunomi:全部の物語が繋がっていることだけは伝えたいです。この4曲は、主人公は4人全員バラバラで、時代も全部違うけど、同じ舞台。同じ世界観の中でそれぞれの人生を語っていくというストーリーになっていて。「大江戸コントローラー」で外部から地球にきたとするじゃないですか。で、かたや別の惑星(「惑星ラビット」)では地球から離れてしまう人を示唆するような感じの、これから訪れるであろう別れみたいなものを予感させるようなストーリーがあって。
一方「バンブーディスコ」では時代が変わって、何百年か経った後に、自分たちが住んでいる地球がダメになってしまう、いつかここから出なければならないんじゃないかってことを語ってるんです。最後の「さよならインベーター」は、「惑星ラビット」で提示していた「いつかきてしまう別れ」というものが実際にきてしまった後の話です。で、そこから例えば、今自分たちのいる場所、例えば地球とかからお別れしてしまう人を想う歌になっています。さらに、地球から離れ、どこか遠い星の惑星にいってしまったその人、エイリアンは、また「大江戸コントローラー」で歌っているように別の星、地球に侵略しに行く……というような感じで、実は物語が循環するようなイメージになっています。

―なるほど。とても緻密に構想されたお話なんですね。こういう話って、おふたりでしたりしました?

TORIENA:いや、してないです……よね? 曲ができた後とかには少しお話したりしましたけど。

Yunomi:まぁ、今お話したのはあくまで裏テーマみたいなもので。あくまでこの4曲は全部違った人物の、バラバラな考え、思いを歌ったものなので、そこは別にリンクしていなくてもいいと思うんですよね。まぁ、そんなこともあったんだよ……、みたいな。

―では、改めて「大江戸コントローラー」の話に戻ってしまうんですけど、SoundCloudで公開していたVer.を、ミックスし直した新Ver.が今回のEPに収録されているとのことですが、どういったところを意識しながらアップデートされましたでしょうか?

Yunomi:そうですね、ミックスって僕の曲のスタイルだったらどの曲でも大体お決まりのパターンみたいなものがあるんです。例えば「サブベースはこのくらい出す」みたいな感じでそれぞれ細かく決めてる基準値みたいなものがあるんですね。それに沿っていつも作ってるんですけど、やっぱりその基準値みたいなものも、1年くらい経つと自然と変化していくことがあって。なので、今の僕の基準値で、今の僕の音として改めてミックスし直したのが、今回のEPに収録されている「大江戸コントローラー」になります。アレンジとかはほとんど変えてません。

―今回TORIENAさんのリミックスが4曲収録されていますが、Yunomiさんのトラックに対してどういう風に自分の色をだそうと思っていたのでしょうか?

TORIENA:「大江戸コントローラー」のリミックスは昨年同じくらいのタイミングで公開していて。それはもう私だし、実機で、ゲームボーイを使って作ったんです。でも、今回収録されている残りのリミックスは、あんまり実機を使わずに、逆にちょっと力抜いて気楽にやってみようかなっていう気持ちで。何ていうか、「ギュッ!」っていうよりかは、ちょっとリラックスして。あくまでもメインはやっぱりオリジナル・トラックだと思っているので。そういったことを念頭に置きつつも、オリジナル・トラックの主旋律とか歌詞とかを受けて、自分の思う各トラックに対しての自然な感覚で、ナチュラルな感じでアウトプットしていこうかなって。そういう感じですね。

Yunomi:……めちゃくちゃローが出てたよ。これでもかってくらい低音が出ていて、本当にビックリしたもん(笑)。

TORIENA:私、低音が好きで。ついつい低音出しちゃうんですよね(笑)。

―なるほど。では本作は最終的に全体としてマスタリングしたというわけではなく、各々がマスタリングしたものが収録されている形ですか?

Yunomi:基本的にはそうですね。何回か指示というか、連絡を取り合った方はいますけど。「もうちょっとこっちの方向にした方がいいんじゃないかな」みたいな。でも、そもそも各々が軸としてるジャンルが違うじゃないですか。それを全部音圧揃えるっていうのもまた無茶な話だと思うので。そこはそれぞれ適切な音圧、適切なバランスみたいなもので作ってもらえればいいかなって感じがして。

―今回、EPを出すにあたってリミックス・コンテストも開いていましたが、それ以前からも大量のリミックスが生み出されましたよね。もちろん他のYunomiさんの楽曲も多数リミックスが生み出されていますが、「大江戸コントローラー」がそれ以上に多かった印象を受けています。なかば大喜利のようにして次から次へとリミックスがUPされていく様を、どのようにして見ていたのでしょうか?

Yunomi:あれは……正直、全く予想していなかったです(笑)。

TORIENA:たぶんYunomiさんと私って、元々チェックしてくれていた層がまるっと被っているわけではないので、ふたりでコラボしたことにより、それが相乗効果でお互いのファンの方に届いて、より広く広まったんじゃないかなって思います。お互いひとりで曲を発表しただけでは届かない層に届けることができたというか。

Yunomi:確かに。それはあるね。

―中でもBatsuさんのリミックスは、さらにそのリミックスのリミックスが生まれるといったように、お祭り状態になっていましたよね。

TORIENA:発端はBatsuくんのリミックスを、さらにDJ酒井法子さんがブレイクコア・リミックスみたいな感じにして発表したんですよね。そしたら近しい界隈の人たちがおもしろがって、こぞって「(Batsu Remix) (DJ酒井法子) (〇〇Remix)」って、ドンドン発表していって……。
ああいうの、私はすごく良いことだと思っているんです。今のインターネットの感じって、ある程度洗練されてきたというか、整ってきていると思うんですよ。人口が増えてきたからこそ、すごい綺麗に浄化されていっているというか。でも、あのリミックス合戦は一昔前の、ただ単に好きな気持ちというか楽しい気持ちで、「これおもしろいだろ!」みたいな、そういう純粋なエネルギーが爆発していて。「あ、なんかこの感じ、懐かしいな」と思っていてたんです。私はああいうのすごく好きなので。あれをしたことによって別にお金が発生するとか、有名になるとか、そういう利益みたいなものはないのに、みんなでワーって自然発生的にお祭りみたいな状態になるのって、最高じゃないですか(笑)。

Yunomi:初期のニコニコ動画みたいなね。そういうカオスな雰囲気があったよね(笑)。

TORIENA:私は一昔前のネット・レーベル全盛期を思い出したりもして。あの時は本当にTwitterのタイムラインが「チャットやってんのかな?」ってくらい加速してて、めっちゃエキサイティングでしたね。「いいぞ! もっとやれ!」って思ってましたね(笑)。

―あれはどこら辺で終結したのでしょうか?

TORIENA:たぶん、みんな徐々に寝落ちしたんだと思います。あれ夜中の12時くらいだったので。たぶんみんな疲れて(笑)。

Yunomi:本当におもしろかったよね(笑)。

TORIENA:たぶん、あれみんな1時間くらいで制作してると思いますよ。ババーッて、勢いのみで(笑)。

―なるほど(笑)。では、自身でトラックメイクも行うTORIENAさんから見て、作曲家として、トラックメーカーとしてのYunomiさんを分析するとどのような印象になるでしょうか?

TORIENA:やっぱり……賢いなと思います。すごく頭がいいひとのトラックだなと。私はどちらかというと感情に任せて、理論とかは二の次で、もう「とりあえず感情をぶつけよう!」みたいなやり方なので、私にないものをいっぱい持ってる方だなって。

TORIENA:……たぶん、全部狙って作ってるんですよね。「あ!なんかわかんないけど出来た!」とかじゃなくて、今回はこういうテーマで、こういう音色で、こういう曲で、とか。たぶんある程度の着地点が最初から見えていて、そこに狙いを定めて確実に曲を作ってるっていう印象で。……「すごいなぁ」って、本当に尊敬してますね。

Yunomi:なんか恥ずかしいです(笑)。まぁ作る前というか、作り始めて1時間以内くらいには完成系は頭の中に入れていますね。もちろんそこからブレることもありますけど。
……「大江戸コントローラー」は間奏でブレましたね。結果、ブレてよかったと思ってますあの曲は。

TORIENA:そうだそうだ!レコーディングの時に、YunomiさんがちょっとPCでトラックをイジってて。そこでYunomiさん置いた音に対して「あ!これめっちゃいいですね!」って言ってすごい盛り上がって(笑)。

Yunomi:ピョンピョン跳ねてたよね(笑)。

TORIENA:そうそう。後ろで爆踊りしてて(笑)。「あ! ここめっちゃいい!」みたいな。最後の大サビ終わりの「デン! デン! デンデンデン!」ってとことか、「こうやったらいいんじゃないかな」っていうのをその場で言って、その場でカチカチって作り上げてもらって。「ああ〜すごい! めっちゃいい!」って言って、最終的には地べたに土下座しました(笑)。

Yunomi:それは当初の予定になかったことなんですけど、TORIENAさんと話しながら作っていく上で生まれたバイブスというか(笑)。
「もっと! もっと!」みたいな感じで後ろから煽ってくれるので(笑)。

TORIENA:そうそう、なんかバイブスが共有できたんですよね。

Yunomi:だから、どっちが作業をするかみたいな話なだけであって、これは完全に精神的なコラボですよね。プロジェクト・ファイルを投げ合ったときに生まれるような化学反応が、リアル・タイムで行われていくというか。

TORIENA:もはやライブです(笑)。

―お話を聞いてると、情熱的で衝動的なTORIENAさんと、知的で冷静なYunomiさん。おふたりのキャラが違うからこその相性のよさが発揮されたのかなって思うようになりました。

Yunomi:そうですね……真面目すぎるのかな、僕は。

TORIENA:いやいやいや、違うんですよ。そうじゃないんですよ。Yunomiさんは一見クールにみえるんですけど、静かにしていながらも中ではメラメラと燃えているというか。私は結構ロマンチストだと思ってるんです、Yunomiさんのことを。
それをわたしはあまり溜めずに外に出していくっていうだけなので、たぶん同じくらいなんですよ。音楽に対する情熱みたいなものは。ただ、アウトプットの仕方とかが違うというか……って、勝手に思ってるんですけど(笑)。

Yunomi:そうですね。まぁ、同じくらいの情熱がなきゃ、一緒に上手く作業できないですよね。

―確かに。タイプは違えど、心には同じ情熱を燃やす同士だと。では最後に、2月1日のプレ・リリパについてお聞きしたいと思います。これまでに色々なイベント、色々な会場でライブをしてきたTOREINAさんにとって、Yunomiさんと一緒にやるときにはどのような違いを意識されますか?

TORIENA:私は実はセトリもほとんど決めないし、その時の感情に任せがちなんですよ。煽りたいときに煽るし、フロアに出たいときに出るし、曲変えたかったら変えるし、みたいな。でも、YunomiさんとやるときはYunomiさんがちゃんと手綱を引っ張ってくれるんです。セトリとかも「今回はこうしようか」みたいな感じで決めてくれてて、「あ、ちゃんとしてるなぁ」って。

―そこもさっきの話に通じるところがありますね。

Yunomi:でも、逆に僕にとってもやりやすいんですよね。TORIENAさんと一緒にやる時は、TORIENAさんがバーっと突っ走っていってくれるので、「あぁなるほど、そうきたか。じゃあ僕はこうしよう」みたいな感じで。

TORIENA:イノシシみたいですね、私(笑)。Yunomiさんは、そんな私のパワーのベクトルを調整してくれるんですよ。ビーダマンみたいな感じ(笑)。

Yunomi:でも、それは僕がひとりで狙っているところに導く、みたいな感じではなくて、結果的にふたりで目指している方向があって。そこに向かってTORIENAさんが先陣を切ってくれるから、僕はそれを最良の形でサポートする、という感じ。ふたりでやるライブはそういうイメージですね。

―2月1日のプレ・リリパでは、「大江戸コントローラー」のMVも先行上映も予定されていますよね。

TORIENA:このMVもすごい出来がいいんですよ。といってもまだ完成版は私も観れてなくて、カットを組み合わせた下書きみたいな状態で一度見たんですけど、すごく歌詞とシンクロしてるし、なんか映画のエンディングを見ているような、そんなMVになっているなって。それを是非ともみんなで共有したいですね。きっと感動すると思うので。私自身もすごく感動して。まだ未完成なのに、夜中に3時間くらいずっとループして観ちゃったくらいで(笑)。

Yunomi:うん、本当にいい作品が出来たと思います。あれはでかい音でみた方がいいですね。

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【リリース情報】

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Yunomi feat.TORIENA 『大江戸コントローラーEP』
Release Date:2017.02.08 (Wed)
Label:ヴィレッジヴァンガードミュージック
Cat.No.:VVM-005
Price:¥2,037 + Tax
Tracklist:
01. 大江戸コントローラー
02. 惑星ラビット
03. バンブーディスコ
04. さよならインベーダー
05. 大江戸コントローラー (TORIENA Remix)
06. 惑星ラビット (TORIENA Remix)
07. バンブーディスコ (TORIENA Remix)
08. さよならインベーダー (TORIENA Remix)
09. 大江戸コントローラー (Batsu Remix)
10. 大江戸コントローラー (Weird Bananas Remix)
11. 大江戸コントローラー (Ironami Remix)
12. 大江戸コントローラー (apca* Remix)

■『大江戸コントローラーEP』特設サイト:http://oedo.yunomi.tokyo/

※ランダムで小当りや大当たりスペシャルグッズお渡し券がCDに封入されたおみくじ特典付き!(注:ハズレあり) 大当たりでは下記サイン入りTシャツやマグカップがもらえます!

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【イベント情報】

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Village Vanguard Music × Spincoaster presents
“Yunomi feat.TORIENA 『大江戸コントローラー EP』 プレ・リリース・パーティー”

日時:201702.01 (Wed) OPEN/START 18:30/19:00
at DESEO mini with VILLAGE VANGUARD (東京・渋谷)
チケット:ADV / DOOR(D別) 2,500yen/3,000yen
(Peatix:http://peatix.com/event/227951/
出演者:
Yunomi feat.TORIENA、Tomggg feat. tsvaci、仮谷せいら、YUC’e、KiWi and more…

Spincoaster

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Spincoaster(スピンコースター)は、独自に厳選した国内外の新鋭MUSICを紹介する音楽情報メディアです。