Rootscoaster Vol.11/ Kishi Bashi

先日オバマ大統領が来日した際、「オバマが知っている日本人アーティストは、オノ・ヨーコと坂本龍一だけだ」なんて話を耳にした。その情報が真実かどうかはさて置き、世界中で知られている日本人アーティストがほんのごく僅かであることは、認めざるを得ない事実である。
シアトル生まれ、アメリカ在住の日系アーティスト・Kishi Bashi（キシ・バシ）は、北米に限らず、ヨーロッパ等でも積極的にライブ活動を行い、クリエイティブなブランドイメージを持つ大企業のCMソングを幾つも担当する等、世界中からその目新しい音楽性で注目を集めている、ヴァイオリンと歌声を自分の相棒とするアーティストだ。

ヴァイオリンにエフェクトをかけたり、時には琴のように弾いたりして、１つの弦楽器を変幻自在に操ることで、ポップ且つヴァイオリン特有の人の心を落ち着かせる美しさを併せ持った楽曲を奏でる。そこに乗せるポエムのような言葉は、主に英詩であるが、所々で日本語の言葉を音遊びのようにはめて歌う。

2020年の東京オリンピック開会式では、国内外から認められているKishi Bashiのステージが堂々と全世界で放送されることを期待しながら、先日リリースされた日本デビューアルバム「Lighght」を聴かせてもらった。そして、日本人としてのルーツを持ちながら、USインディーらしい挑戦的な音作りで世界中を攻める彼の音楽的ルーツに迫った。(Written by 矢島由佳子）

1.Chausson / Concerto for Piano, violin, and string quartet 2nd movement

この曲は高校時代にお父さんのコニャックをこっそり持ち出して、友達と月夜のビーチで泳ぎながら聴きました。

2.Stephan Grappelli / Sweet Georgia Brown from Album “Live in London”

https://www.youtube.com/watch?v=m4EvRwHDegA
生まれて初めてバイオリンがジャズ即興をするのを聴いて感動しました。
※動画は87年パリ公演のものです

3.Toru Takemitsu / From Here Flows What We Call Time

シカゴ交響楽団を聴きに行って本当に時空が止まったような体験でした。

Message

私はジャンルにあまりこだわらずに心に響く音楽を探し求めることが好きです。
僕の音楽も沢山の方の心に届いてくれたらうれしいです。

Kishi Bashi

Kishi Bashi は、1975年シアトル生まれ。アメリカ在住、日系アメリカ人のマルチ・インストゥルメンタリスト、シンガーソングライター。2000年初めにJUPITER ONEというバンドを始動させ、リードシンガーとして活動する。その後ヴァイオリニストとして歌姫レジーナ・スペクターの世界ツアーにも参加するようになり、レジーナのツアーでオープニングを任される事になる。また、彼がファンでもあったケヴィン・バーンズ率いるオブ・モントリオールのメンバーとしても活動していたが、2010年脱退し、この頃からソロKishi Bashiとしての活動が本格的に始まる。2012年にはアメリカで「151a」をリリースするがこの中の曲がWindows 8やSONYなどのCMで起用され話題に！日本でも水原希子が出演しdocomoAscendのTV-CMで話題になり、注目を集める。現在は梨花やローラが出演する花王エッセンシャルダメージケアのＣＭにも起用されている。そして2014年4月23日アルバム「Lighght」で遂に日本メジャーデビューを果たした。シングル曲の「The Ballad of Mr. Steak」は全国のＦＭ曲でパワープレイ中！！そしてアルバムを引っさげた単独公演も決定！