4/5に開催するSpin.Discoveryの記念すべき第一回目も大分近づいてきたというわけで、今回はライブ出演してくれる若きトラックメイカーHercelot(ハースロット)をご紹介!
Spincoasterではタイミングが合わず未だの一度も紹介できていないので、彼のことをご存じない方も多いかと思います。
なので、まずは2週間ほど前に自身のSoundcloudにて公開した、フランスの作曲家Erik Satieによるピアノ独奏曲「Gymnopédie No.1」のカバー音源と、MiiiとLASTorderからなるThe Wedding Mistakesの1stアルバム『Virgin Road』に収録されたリミックスを聴いてください。
(また、Spin.Discoveryの翌日4/6に開催されるこのThe Wedding Mistakes『Virgin Road』のリリパにもHercelotは出演しますので、そちらも是非チェックを!)
どちらもオリジナル楽曲ではないものの、今現在の彼の音楽性や世界観がよくわかるようなサウンドとなっております。
様々な楽器や音声、効果音などをサンプリングし、それらを組み合わせてひとつのポップ/ダンス・ミュージックへとまとめあげたサウンドはまさに彼独自のスタイルで、彼を形容する際によく使われる「チャイルディッシュ・ポップ・チューン・メイカー」という言葉は実によく言い表せていると思います。
ちなみに「Gymnopédie No.1」のカバー音源は公開当初はフリーDLできたのですが、この記事を準備している途中でフリーDLのリミットに到達してしまったようです……残念。
そしてここからいきなり時計の針を大きく戻しまして、ここまでの彼の経歴を時系列純にザックリと追ってみたいと思います。
彼がマルチネから初めて作品をリリースしたのは2009年。
2曲入りのEP『Was jiggii』でその名をネット上に知らしめました。
上品なプログレッシヴ・ハウス風味のトラックと、Gabba的な高速ビートをあしらったハードコア・テクノから構成されているこのEP。
そもそもこの2曲も対照的ともいえる作風ですが、そのどちらとも現在のスタイルとはこれまたかけ離れたサウンドなので、このEPは彼のルーツ的な部分が伺える貴重な作品なのかもしれません。
その後しばらく期間を空けて発表されたIdiot Popや東京女子流のRemixなどからは、多種多様な音をサンプリングし、まるでおもちゃ箱をひっくり返したかのようにカラフルかつキュートなサウンドを構築する現在のスタイルを確立しています。
http://www.youtube.com/watch?v=sSlaGywPR10
そして長らく「アルバム製作中」と公言し続けていた彼が遂にマルチネから昨年の夏にリリースしたのが、1stフル・アルバムとなる『Wakeup Fakepop』。
本人曰く遊園地をイメージしたという(via Uncanny)本作は、色彩感覚豊かな音のパーツが無数に飛び交う華やかかつ賑やかなチャイルディッシュ・ポップとなっており、そのサウンドはまさに“音のテーマパーク”とでも形容したくなるほど。
キュートかつキャッチーでありながら、時折どこか暴力性や毒気すらも感じさせる唯一無二の世界観を展開した本作は、方々で大きな話題を呼んでおりました。
『Wakeup Fakepop』の全曲試聴はSoundcloudからも可能です。
また、tofubeatsがプロデュースを手掛けたことでも話題を呼んでいる5月17日より全国公開される映画「最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。」の神前美月(橋本甜歌)が歌う主題歌『HOW’S IT GOING?』のシングル(4/23リリース)に、彼のリミックスが収録されることが発表されるなど、順調に活動のフィールドを拡大させていっているように思えます。
昨年末の渋谷wwwで行われた「山」に引き続き、同じくマルチネが5月に仕掛ける大型イベント、「東京」への出演も決まっている彼ですが、その前に是非とも4/5のSpin.Discoveryにて彼のライブを体験してください!