東京を拠点とするジャジー・ポップ・バンド、Fontana FolleがRootscoasterに登場した。
Fontana Folleは2016年結成、ジャズやラテン、R&Bを吸収してきた背景を軸に、ボーダレスな音世界を体現する3人組。結成後わずか1年にして、インドネシア最大のジャズ・クラブ「Motion Blue Jakarta」での公演を成功させ、現在でもSpotifyなどではアジア圏リスナーから高い注目を集めている。
11月にリリースした初のフル・アルバム『Viaggio』は、コンテンポラリー・ブラジレイラの音世界を軸に、多種多様のポップスと古今東西のジャズを融合させた意欲作。本日、リード曲「Into The Night」のMVも公開された。
ブラジルにてNelson Fariaにギター奏法を師事したイイダリュウジ、インドネシア出身のボーカル・Alvin、『アジアのポップスを聴き倒す会』などのイベントの主催も手がけるベース&リーダーのYuki Leeと、各々大きく異るバックグラウンドを持つFontana Folle。今回はそんな彼らに、1曲ずつ自身のターニング・ポイントとなった楽曲を挙げてもらった。
Text By Izumi Gibo
1. Amy Winehouse / Love Is A Losing Game
元々知っていたアーティストでしたが、この曲に出会ったのはSam Smithのカバーがきっかけです。そのカバーがとても良くて調べたら実はAmyの曲だった、という。当時はBritishにハマっていて、彼のほかにAdeleやEd Sheeranなどを聴いていました。彼女の独特な声質や歌い方がすごく合っていて、世界観があると思います。(Alvin / Vo.)
2. Charles Mingus / Peggy’s Blue Skylight
高校入学前まではMetallicaやMarilyn Manson、Kornなどロックばかりを聴いていましたが、高校で吹奏楽部に入ったことをきっかけにクラシックやジャズを聴くようになり、16歳の時、初めてジャズ・ライブに行った際にベーシストの方から勧めてもらったのがミンガス! 激しい曲ももちろん聴きましたが、この繊細でメランコリックでドリーミーさに満ちたメロとハーモニーに完全にやられました。その時ロックの歪んだ音に慣れていた自分でしたが、あ、きれいな音楽ってカッコいいんだ、と気づいた瞬間です。新しい価値観が生まれ、僕の音楽人生の中で一番変化をもたらしてくれた曲のひとつです。(Yuki Lee / Ba.)
3. Mondo Grosso / Life feat. Bird
高校の同級生が「今流行っているお洒落な曲だよ」と聴かせてくれたのが初めての出会いでした。ハードロックに夢中だった私にとって、当時はピンとこなかったのですが、数年後、自身として初めての作曲となった、友人のボーカリストのリサイタルのための楽曲や、そしてFontana Folleの日本語曲「That summer」の作曲時に参考にしたりと、節目節目でこの曲を思い出し聴いています。そしていつか、自分自身の中でこの曲を超える名曲が書けたら、と目標にしています。(イイダリュウジ / Gt.)
Message
バンド・メンバー3人から一曲ずつということでとても悩みました! その中で今のバンドの音楽性を作ったものという観点からそれぞれ選んでみました。元々ヨーロッパのジャズが好きだった、イイダリュウジと僕Yuki Leeが意気投合し、イイダさんの曲を歌物としてやろうかと思い立ち結成したバンド。当初ジャズを通ったことのある女性ボーカルを探していたのですが、現ボーカルのAlvinの声に魅了され思い切り作戦変更。Alvin自身、いわゆるビルボードに載るようなUS/UKの音楽や、インドネシアのポップ・ミュージックを聴いて育ってきたためおもしろい価値観をバンドに加えてくれています。人との出会いで変わるというのが音楽のおもしろいところ! そんな僕らがリリースしたばかりの1st アルバム『Viaggio』、ぜひ聴いてみてくださいね!(Yuki Lee / Ba. /Leader)
Profile
Fontana Folle
2016年にAlvin(Vo.)、イイダリュウジ(Gt.)、Yuki Lee(Ba.)の3人で結成された、新世代の“Tokyo” City Jazz Popを体現するバンド。ブラジル音楽をベースに、ポップスとジャズを融合した独自のサウンドを築く。
名門・バークリー音楽大学で作曲を専攻し、ブラジルにてNelson Fariaにギター奏法を師事したイイダリュウジの洗練されたサウンドを軸に、インドネシア人ボーカル・Alvinの温かさと透明感に満ちた歌声、Yuki Leeの繊細なベース技術が光る。
【リリース情報】
Fontana Folle 『Viaggio』
Release Date:2019.11.27 (Wed.)
Label:PRIMA RECORDS
Tracklist:
1. Come and Go
2. Into the Night
3. 2am
4. Paradiso
5. Gradation
6. Funky Madame
7. Handprint
8. Table for One
9. Home
10. Fiesta