先日の「Spincoaster Breakout 2016」では、今年飛躍的な活躍を見せると予想するアーティスト15組を発表させていただきましたが、今回は来年のBreakoutの予備軍と言える、注目すべきニューカマーを10組を紹介したいと思います。
何かきっかけがあれば一気に?という可能性を秘めたアーティストや既にジワジワと注目を集め始めているアーティスト、セルフ・プロデュース力に秀でたアーティストなど、いずれにせよ音楽性には間違いない10組です!
最後には選出アーティストの楽曲をまとめたプレイリストもあるので、是非とも今のうちからのチェックを!
NEXTCOMINGアーティスト10組 ※A→Z順
DYGL
Ykiki Beatのメンバーも在籍している事で、既に一部の音楽ファンからは注目されているDYGL(デイグロー)だが、LAでの海外経験も積み今年は音源リリースが期待され、それと共に一気に色んな人々を巻き込んでくれるはず。USガレージやパンクなどを軸にしたギター・サウンドは、昨年注目されたNOT WONKなどが所属する元銀杏BOYZの安孫子真哉が主宰するレーベル、〈KiliKiliVilla〉などと一緒に1つの面白いシーンを作ってくれそうな気がしてならない。
KiWi
SPIN.DISCOVERY Vol.03に出演してくれたことも記憶に新しいAZUpubschoolとCOR!Sによるトラックメイカー・デュオ、KiWi(キウィ)。綿密に作りこまれたサウンドと視覚的要素の両方によって構築されているその確固たる世界観など、セルフ・プロデュースの上手さは折り紙つき。そしてJukeやFootworkといった先鋭的なビート・ミュージックの要素を上手くポップスに昇華した楽曲のクオリティも言わずもがな。何かひとつキッカケがあれば、ドカンとブレイクしそうな気配濃厚!
MARQUEE BEACH CLUB
東京、茨城を拠点に活動するインディー・ポップ/ロック・バンド。まだ正式な音源リリース前にも関わらず、都内で徐々に話題となりライブ後には物販に長蛇の列が出来ることも。去年はつくばロックフェスティバルや下北沢インディーファンクラブ等に出演、2月にホームタウン水戸で行われるワンマンは小規模ながら即日ソールドアウト。1月28日には新人アーティストの登竜門的な存在になっている渋谷WWWのイベント『NEWWW』に出演。一発でつかまれるキャッチーなメロディーとオール・マイティーな間口の広さは、2016年ブレイクの可能性を感じさせる。
Masayoshi Iimori
Web (Trekkie Trax)|twitter|SoundCloud
東京を拠点とする若きクリエイターが集うレーベル/コレクティヴ、Trekkie Trax。昨年頃から多数の海外DJ/トラックメイカーとの共演、招聘を行っており、中でもこのMasayoshi Iimoriは、昨年アメリカ・ツアーを敢行したことでも大きな話題に。2000年代中盤〜後半のエレクトロからの影響も感じさせつつ、そこにトラップや近年のベース・ミュージックを飲み込んだ解釈を加えた楽曲は、海外の著名海外DJ/トラックメイカーからも賞賛を浴びている。なんと最近ではあのSkrillexまでもが彼の楽曲をプレイしたとのことで、もはや2016年は彼(彼ら)がヤバいことになる絵しか想像できない!
大比良 瑞希
昨年のフジロックへの出演も果たした女性シンガーソングライター、大比良瑞希。Spincoaster Music Barでライブもしてくれましたが、その音楽的センスと天性の歌声は疑う余地がない。tofubeatsやLUCKY TAPESの作品やライブにもコーラスで参加しており、特にtofubeatsは2015年、一番気になったアーティストに彼女を挙げるなど、かなり注目を寄せているようだ。まずは春にリリースを予定しているニュー・アルバムに注目したい。
Special Favorite Music
関西を拠点に活動する男女混合の9人組ポップ・バンド、Special Favorite Music(スペシャル・フェイヴァリット・ミュージック)の音楽性を説明するとき、おそらくその人によって参照点は大きく異なるだろう。70~80年代の歌謡曲と北欧風のインディー・ポップを90年代のポップスでコーティングしたようなサウンドは、ときに懐かしく、ときに新しく聴こえるから。詳しい内容は過去の記事を見ていただくとして、ミニアルバム『ROMANTICS』内の名曲「GOLD」でその一番美味しい融合点を叩き出し、新曲「Dribble」でポップな”(EDMで言う)ドロップ”を置くという発明を試みた彼らが、2016年にどんなアプローチを繰り出すのか楽しみでならない。
yule
男女ツインヴォーカルを擁する6人組バンド、yule(ユール)。アーティスト写真はシルエット姿であり、ライヴ本数も少ないため未だ謎多き存在だが、今年は大きな動きを見せてくれそう。アイリッシュやケルト、フォークといった土着的な要素とエレクトロニカ、シューゲイザー、ギター・ロックを融合させた独創的な彼らの音楽は邦楽におけるどのシーンからも距離を置き、すでに孤高の存在となりつつある。それでいて彼らのライヴは野外フェス映えする祝祭感に満ち、マスにアプローチできる強いポピュラリティも感じさせるもの。数年後に大舞台に立っているのは、もしかしたら彼らなのかもしれない……!
綿めぐみ
初ライブ、初インタビュー、初CD販売と初モノに携わったSpincoasterとしては、今年も彼女には大いに注目していきたいところ。初の全国流通盤となるアルバム『ブラインドマン』は、タワーレコードとのタッグで全国での大規模展開を予定しているらしい。しっかりと世界観を作りこんだアートワークとストーリー性を持たせたこの作品がどれだけの人たちに届き、衝撃を与えていくのか。彼女のアーティストとしての存在感もだが、彼女をプロデュースするTokyo Recordingsの活動には、やはり2016年も引き続き注目せざるをえない。
WONDERVER
昨年のSPIN.DISCOVERYにも出演した、3人組エレクトロ・ポップ・バンド、WONDERVER(ワンダーヴァ―)。昨年は「出れんのサマソニ!?」や「BAYCAMP」などの大型フェスにもルーキー枠で出演を果たし、耳の早いリスナーや業界関係者は既にご存知のバンドであろう。これまで配信のみで音源をリリースしてきたが、今年はフィジカルでのリリースが予想される。とにかくライブが凄まじいバンドなので、是非その目と耳で彼らのポテンシャルを確かめて頂きたい。個人的にはフロントマンの相澤氏の表舞台に立つ者としてのポテンシャルにもかなり注目している。
WONK
東京を拠点に活動するエクスペリメンタル・ソウルバンド、WONK(ウォンク)。リリースされた音源はフリーDLのアルバムが1枚のみでまだ謎に包まれている部分は多いが、Robert Glasper以降の新世代ジャズ・シーンを彷彿とさせる音色やリズム、スモーキーな歌声は日本人離れしており、確かな才能を感じさせる。また、サイトや映像からはセルフ・プロデュース力の高さも伺える。2016年、Suchmosに続くのは彼らかもしれません……!