米オハイオ州シンシナティ出身、現行LAスピリチュアル・ジャズ界の大御所シンガー・Dwight Trible(ドワイト・トリブル)が、UKのトランペッター・Matthew Halsallと共に、古典ナンバーを現代ジャズで再構築したカバー・アルバム『Inspirations』を6月にリリースしました。
Donny Hathaway、John Coltrane、Cole Porterなどの名曲たちに、大胆な解釈を施した今作からBurt Bacharachのカバーをピックアップ。
とにかく、Tribleの情緒たっぷりな低音ボーカルが深く冴え渡っており、聴き手に強く訴えかけてくる哀愁が全体に染み渡った濃厚なバラードに。リズム・セクションにはハープやトランペットによる響きも加わることで、どこか異世界を旅しているかのような、強い映像喚起力を擁した美しいカバーに昇華していると思います。
およそ40年以上に渡るキャリアのなかで、同じくLAジャズシーンの名プロデューサーCarlos Nino主宰のジャズ・プロジェクト、Build An Arkや、Kamashi Washingtonのデビュー作『The Epic』での活躍が注目される彼ですが、今作はGo Go Penguinを見出したレーベル〈Gondwana Records〉を主宰するUKジャズ・トランペッター、Matthew Halsallによるプロデュース作となっている模様。
本作は全体を通してTribleの厚みのあるボーカルが映えるバラード集ともいえる内容で、Gregory PorterやBenjamin Clementineにも通じる深淵かつ荘厳なジャズ・ボーカル・アルバムとなっているのではないでしょうか。
特に、ラストの黒人霊歌カバーは必聴です。
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【リリース情報】
Dwight Trible With Matthew Halsall 『Inspirations』
Release Date:2017.06.28 (Wed.)
Label:Gondwana Records / P-Vine
Cat.No.:PCD-24650
Tracklist:
1. What the World Needs Now Is Love (feat. Matthew Halsall)
2. Tryin’ Times (feat. Matthew Halsall)
3. I Love Paris (feat. Matthew Halsall)
4. Feeling Good
5. Dear Lord (feat. Matthew Halsall)
6. Heaven & Hell
7. Black Is the Colour of My True Love’s Hair (feat. Matthew Halsall)
8. Deep River (feat. Matthew Halsall)