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Interview / Drenge


ーこのままずっとバンドを続けて音楽を作り続けていきたいんだ! The Libertinesみたいに解散してから再結成、なんてことにならないようにね(笑)!

2015.08.28

UKギター・ロック・シーンの再興、90年代リバイバルと言われる中、台頭してきたDrengeは、My Bloody Valentineが『Loveless』をリリースした1991年年のちょうど前後の年に生まれたEoinとRoryのLoveless兄弟によるロックンロール・デュオだ。バンド名を冠した『Drenge』でデビューして2年、今年2枚目のアルバム『Undertow』をリリースした彼らがようやくフジロックにて初来日を果たした。まだまだあどけなさが残る彼らだが、彼らが生まれた時代の90年代グランジを体現する音は、若さ故の衝動なのか、野太く荒々しい。インタビューでは、The Libertinesの再結成に苦言を呈すなど、ビッグマウスぶりを披露してくれた。彼らのように若くても自分の信念を持った発言のできるバンドがいるUKの音楽シーンはやっぱり面白い。

Interview Drenge

Interview by Aoi Kurihara

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ー初めてのフジロックはどうでしたか。

Eoin:とても楽しかったよ!いろいろバンド見て何見たか思い出せないや。Scoobie Doていう日本のファンク・ポップ・バンドが良かった。

ーバンド名の由来はデンマーク語の”Boys”という意味の単語から取ったようですが、なぜこの名前を付けたのでしょうか。

Eoin:そうだよ、発音できないけれど、本来のデンマーク語の発音とは違うんだ。

Roy:デンマーク語の発音は難しくて意味わかんないよ!

Eoin:僕たちはバンド名っぽいバンド名を付けたかったんだ。特にこれには意味がないんだけど、音がバンド名っぽくてかっこいいと思ってさ。

ー前作同様Ross Ortonとタッグを組んだようですが、なぜ今回も彼と仕事をすることになったのでしょうか。

Eoin:彼は前作でも一緒に仕事をしたからただ単にやりやすいということもあるし、僕らの出身であるシェフィールドの友人だからキャッチアップしやすかった。1枚目のレコードとは全く違うものにしたくて、前のアルバムはギターアルバムだったと思うんだけれど、2ndはもっと違う要素のある、違う音のアルバムにしたかったんだ。だからあえて1stアルバムを一緒に作って前の音をわかっている彼を選んだんだ。

ー2013年にリリースされた前作のセルフタイトル・アルバム『Drenge』は出発のアルバムだったと思います。今作『Undertow』ではよりスケールが大きく、ドラマチックになったと思いますが、実際前作と比較してどう変化したのでしょうか。

Eoin:そうだね、前作よりも様々な楽器を使っているし、ソングライティングやバンドの方向性についてもっと深い理解ができるようになったからから前よりもクリエイティブな作品になったんじゃないかな。

ージャケット写真はミステリアスな雰囲気がありますがコンセプトは何でしょう。

Eoin:曲や歌詞のイメージとあったものにしたかったんだ。道があって、周りに木があって、紫の光が照らされている中に車がいて、中には人がいる。ミステリアスなイメージだよね。これは写真を使ったんだ。

Drenge-Undertow-art

ーアルバム・タイトルと同じ「Undertow」という曲がありますが、この曲は歌詞がないインストの曲ですよね。この曲はこのアルバムを象徴している曲なのでしょうか。

Eoin:たぶんそうだね。なんというか、アクティブなリズムだと思うんだ。あとこの曲は最初はギターとドラムでジャムって作って、アルバムの曲の中では最初にできたんだったかな。アルバムの最初の曲も同じく歌詞のないインストの曲なんだけれど、それはイントロだからだよ。

ー「We Can Do What We Want」では”We’re like Bonnie and Clyde, but without any pride”と歌っていますがボニーとクライド(30年代に実在した強盗団。ここでの2人は映画『俺たちに明日はない』の主人公たちについて)のような破滅的な恋愛がテーマなのでしょうか。

Eoin:いや恋愛というよりももっとカオスな関係を描きたかったんだ。ボニーとクライドやシド$ナンシー、あとはカートとコートニーとかさ。

ーそれって実体験だったり?(笑)

Eoin:いやいやまさか!(笑)実体験ではなくもっとコンセプト的というか物語みたいなものだよ。

ーライブのときはどんなことに気をつけてますか。

Eoin:可能な限りラウドな音にすること。可能な限り速く演奏すること。可能な限り、楽しむこと。ラウドでファストでそれでいて楽しいギグにしたいんだ! ロックンロールでしょ!

ー最近のUKシーンはギター・ロック復興と言われていますが、実際はどうでしょうか。

Eoin:そうだね、そう思うよ。ここ数年ギターロックがメインストリームではなくなりつつあったのが、最近になってまたメインストリームになってきたと感じている。わかんないけど、音楽の流行はいつも回っていると思うんだ。またいつか廃れて、そしてまた数年後に戻ってくると思う。人々は”ロックンロールは死んだ”って言った数年後に”ロックンロールは帰ってきた”って言って、その後また”ロックンロールは死んだ”って言うんだ(笑)。

ー何か最近のバンドでおすすめはありますか。そういえばRoryはThe WythchesのTシャツ着てますね。

Rory:そうだね、The Wytchesは好きだよ。

Eoin:あとはWolf Aliceかな。日本のバンドだとBo Ningenが好きだよ。彼ら本当に素晴らしくて、ノイズがすごいし、とてもハイエナジーなパフォーマンスをするから衝撃だったよ。

ーロック再興といえば、ちなみにThe Libertinesの再結成に関してはどう思いますか。

Rory:ああ、彼らアルバム出したよね? これから出すんだっけ? このバンドは僕たちや僕ら世代のロック・ファンにとってすごく重要なバンドだったと思う。でもさ、彼らの再結成はお金の匂いしかしないよ! 有名なバンドの再結成ってファンには嬉しいかもしれないけど、商業的な感じがするから残念だよね。

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ー最後にDrengeとしての今後の野望を教えてください!

Eoin:うーん、そんなにないけどさ、フジロックでライブをして、いろいろ僕たちで話し合ってたんだけど、東京に来れたりフジロックに出演できるなんてもはやすごいことだよね。だからまた日本に戻ってきたいねって。このままずっとバンドを続けて音楽を作り続けていきたいんだ。The Libertinesみたいに解散してから再結成、なんてことにならないようにね(笑)!


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