THEY.

What You Want

THEY. / What You Want
「トラップソウル・ミーツ Nirvana」なR&Bデュオのデビュー作から、トリッキーなカメラワークが秀逸なMVが公開!

LAを拠点とするプロデューサー/ソングライター・デュオ、THEY.が先月末リリースしたデビュー・アルバム『Nü Religion: Hyena』から、MVも先日公開された「What You Want」をピックアップ。

彼らはブレイクのきっかけとなった楽曲がその名の通り同名のヘヴィ・メタル・バンドと、その時代のLAへの愛が感じられる「Motley Crew」だったことからもわかるように、Bryson TillerTory Lanezらトラップソウル勢とも共振するダウナーなビートの上に、TimbalandThe Neptunesが用いたロック的なフィーリングを拡張したトラックが特徴で、中でもこの曲は彼らが「最大の影響源」と語るNirvanaのクラシック、「Smells Like Teen Spirit」のようなギター・リフが全面で鳴り続けている(彼らがNirvana愛を形にするのはこれが初めてではなく「Rather Die」では『Nevermind』収録の「Polly」をサンプリングしていた)。

10年代に入ってからのヒップホップやR&Bにおいて、「いかにインディ・ロック的なフィーリングを持ち込むか」というのは長く続いているテーマであるし、実際にOdd Future周辺やDanny Brown、Vince Staplesなどそうした影響源を公言するアーティストも多かった。しかし、その参照点となるのは、Joy DivisionやTalking Headsなど、ポスト・パンクやニュー・ウェーブ系のバンドが多かったのに対して、THEY.が持ち込む「ロック・ミュージック」は衝動的でヘヴィ―なギターを軸にしており、先述のNirvanaが象徴するようなグランジやエモのような感覚を持つものが多く、それが彼らのサウンドを新鮮たらしめている一番の要因だろう。

ただ、彼らはその独特のエクレクティックな楽曲だけでなく、ヴィジュアル・ワークもまた秀逸で、「What You Want」のMVは、エンドレスに続くホテルの廊下を舞台に万華鏡のようなカメラ・ワークがこちらを飽きさせず、最高にエンターテイメント性あるビデオとなっている。また、Silento「Watch Me」を中心に広がった流行の振り付けスタイルを思い出させる愛嬌ある彼らのダンスも見どころの一つである。

彼らの地元、コロラドの壮大な景色を使いながらも、忙しないカット割りや巻き戻しによって実際の楽曲以上にBPMが早いかのように錯覚させるカメラワークがおもしろかったひとつ前のシングル、「U-RITE」のMVも合わせて観てほしい。ディレクターは2曲ともJack Begertが手掛けている。


【リリース情報】

THEY. 『Nu Religion: Hyena』
Release Date:2017.02.24
Label:Mind of A Genius
Tracklist:
1.Nü Religion: Hyena (Intro)
2.Africa
3.Deep End
4.Motley Crew
5.Truth Be Told
6.What You Want
7.Silence
8.Back Around
9.Bad Habits
10.Say When
11.All
12.Dante’s Creek
13.Back It Up
14.U-RITE

Daichi Yamamoto

Curator

Daichi Yamamoto

Hard To ExplainなどでライターやDJをしております。たま~にブログ(http://dearsilence.jugem.jp/)も更新します。