【Report】

SPIN.DISCOVERY -Vol.1-

Spincoaster主催イベントの第一弾を詳細にレポート!

EventREPORT
“心が震える音楽との出逢いを”をコンセプトに、様々なバックボーンを持つキュレーター達が自らの心を震わされた楽曲を中心に紹介を行うキュレーション型音楽メディア「Spincoaster」。そんな彼らが、「新しい音楽や人とのつながりを『発見』してほしい」という想いを込めてWEBの世界から飛び出し、リアルイベント「SPIN.DISCOVERY」を開催した。
Text by Ai Takagaki (@Ai_Tkgk
Photo by Ray Otabe (@odd_z )

<SPIN.DISCOVERY-Vol.1- Photo Album>

SPIN.DISCOVERYを一言で表現するなら、「音楽好きたちの秘密集会」。会場のLe Baron de Paris(ル・バロン・ド・パリ)は、Thom York(Radiohead)やJustice等海外の大物アーティストが来日時にDJを披露する事でも有名な場所。青山通りから路地を一本入った先にある階段を下って扉をあけるとそこはさながら地下にある秘密基地。柔らかなピンクの照明に包まれたフロアに、DJ(もちろんspincoasterのキュレーター)がセレクトした音楽とこの日のために制作されたムービーが流れる。

筆者はSpincoasterのファン達について「最先端の音楽に対する感度の高いアンテナを持っている」というイメージを持っていたが、お酒を飲みながら音に身を委ねている参加者達を見ると服装も個性豊か、かつ色とりどりで鮮やかにフロアを彩っている。

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さらに、このイベントではリアルなコミュニケーションを促進する「Rootscoaster」という仕組みも用意。入り口で配られたLP型のコースターに参加者が自らの「心を震わされた一曲」を書き込み紹介しあうことでコミュニケーションを生んでいくというもの。お互いの渾身の一曲を書いたコースターを持った参加者達が、好きな音楽について情報交換し合う姿が印象的だった。
(当日撮影したRootscoasterの写真もPhoto Albumにアップしています)
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 19:00 – Takumi

オープニングアクトを務めるのはキュレーターのTakumi。まるで次の出演者へのバトンタッチを思わせるかのように邦楽の女性ボーカル曲オンリーのセットリストを組み上げてきた。次から次にスピンされる、可愛くポップな音楽はShiggy Jr.への期待感を存分に高めてくれた。

<Takumiセットリスト>
The World Will Tear Us Apart /Sunday (Ryo Arimura remix)
ラブリーサマーちゃん / あなたは煙草 私はシャボン (Herrokkin Remix)
住所不定無職 / 宇宙のYeah!!!
PR0P0SE / just tonight feat DTTN(LoconyanRemix)
GREAT3 / 愛の関係
パスピエ / MATATABISTEP
YUKI / ランデヴー
禁断の多数決 / トゥナイト、トゥナイト

 19:30 – Shiggy Jr.(Acoustic Set)

Takumiのおかげで熱を帯びたフロアに1組目のアーティストShiggy Jr.が現れた。
2012年結成、昨年秋のアルバムリリースと共にたちまち音楽好き達の間でネットを中心に話題になった今注目の4人組。

ステージ向かって左からベース→カホン→ボーカル→ギターと並ぶ彼ら、足下のスニーカーは左から順に紺色→水色→黄色→白色に彩られてとてもポップだ。Shiggy Jr.というと「ストレートで良質なポップミュージック」という印象が強い方が多いと思うが、今回、バンド初の試みとなるアコースティックセットでのライブは「彼らのバックボーンはジャズにあるのでは?」と感じずにはいられないステージだった。

1曲目「サンキュー」やラストに演奏された「Saturday night to Sunday morning」をはじめ、アコースティックサウンドにアレンジされた楽曲達は、細かく、それでいて優しく鳴らされるカホンとベースのリズム、軽快にメロディを刻むギターに乗せてどこまでも伸びやかないけだともこの声に彩られ大人な雰囲気。「萌え声」とも言われることが多い彼女の声が、アコースティックサウンドに乗ると色気を帯びて響き渡る。

特に印象深かったのが「baby i love you」。先日SoundCloudで公開されたデモ音源は打ちこみ主体のポップなものであったが、今回のアレンジではしっとりと聴かせる落ち着いた雰囲気となっており、Shiggy Jr.の新たな一面が垣間見えた。新しい試みでステージに立った彼らのライブは、今年の更なる飛躍を感じずにはいられないものとなった。
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<Shiggy Jr.(Acoustic Set)セットリスト>
サンキュー
oh yeah!!
ばいばい
baby i love you
HOME
Saturday night to Sunday morning

 20:00 – Hosaka

Shiggy Jr.のライブ終了後、ステージ上に現れたのはキュレーターのHosaka。先程のTakumi同様、彼もSpincoasterのキュレーターの1人だ。これまでSpincoasterで紹介してきたアーティストの楽曲を中心にしつつ、Shiggy Jr.のメンバーが影響を公言する山下達郎の楽曲や、次に登場するHercelot(ハースロット)が手掛けたIdiot PopのRemixをセレクトするあたりさすが盛り上げ方を分かっているというところ。

<Hosaka セットリスト>
接吻 -kiss- / LUVRAW feat. Costa De Palma
山下達郎 / Sparkle
Orland / Love’s On The Way
Skream / Rollercoaster
Daft Punk / Get Lucky (Fear of Dawn Club Edit)
Chromeo / Come Alive (feat. Toro y Moi)
Idiot Pop / Nothing To Be Afraid Of (Hercelot Remix)
Justin Timberlake / Suit & Tie Feat.Jay Z (Moduloktopus Retwerk)
シャルロ / ラストダンス
Herrokkin & ラブリーサマーちゃん / 笑い話 (Lovely Club Mix) Remixed by USYN
Wave Racer / Streamers
K¥ary pam¥u pam¥u / ninjaaarin’ bang bang (BRU-RA¥ Remix)
DJ Paypal / Over
FKJ / Bad Habbit

 20:30 – Hercelot

オンタイムでステージに登場したのはマルチネレコードに所属し、先述のIdiot Popや東京女子流のRemixでも話題になっているHercelot。

「チャイルディッシュ・ポップ・チューン・メイカー」とも評される彼のスタイルは、子供の声、ラッパの音におもちゃのガラガラ、カメラのシャッター音やカフェでの女子のおしゃべりといった様々な声や音、効果音をサンプリングして組み合わせ、まるでおもちゃ箱の中にいるようなカラフルなダンスミュージックサウンドを創り上げていくもの。一曲目の「Hyowing Hug」が終わる頃には、会場はさながらテーマパークに早変わりしたようだった(筆者にはディズニーランドのパレードを見ているように感じられた)。

右から左から次々にフロア内を飛びかうポップなサウンド達の中でふと周囲を見渡してみると、会場中みんなが子供に戻ったような笑顔で思い思いに身体を動かしているのが目に写り、こちらまで幸せな気持ちになってくる。白シャツに眼鏡という見た目にはいかにも文系少年のようなHercelotが、時にアッパーに、時にメロウに会場中を盛り上げていく様子は、まるでパレードの先陣を切って会場を盛り上げていくマスコットのよう。

途中、機材トラブルで音が止まってしまうところがあったがそれもご愛嬌。復旧後、両手を顔の前であわせて申し訳なさそうに謝りながらもすぐに会場の雰囲気を元に戻す若い実力派DJの姿に、会場中が微笑みと感嘆の表情を浮かべていたのが印象的だった。

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<Hercelot(Live Set)セットリスト>
Hercelot / Hyowying Hug
Hercelot / What’s Entertainment?
roop / SNAP (Hercelot Refill ver.)
Hercelot / Sha-Ba-Ja-Mashup
OK?NO!! / Arpeggio / 午前零時 (Hercelot’s Anotherside)
Hercelot / 2.O.O.S. (To Our Own Sentimentality)
Idiot Pop / Nothing To Be Afraid Of (Hercelot Remix)
Hercelot / (Untitled Exclusive Track)
Hercelot & Mav. / Comfortable Hole Bye.

 21:15 – CEO(DJ Set)

イベント開催直前に出演がアナウンスされたスウェーデンが誇るエレクトロ・ポップ・アーティストCEO(シーイーオー)の登場だ。

新作をリリースしたばかりの彼のDJプレイをまさかこのタイミングで日本で見れるとは。会場中の期待がどんどん膨らみ、熱量が高まっていくのが感じられる。ステージに現れた彼はリラックスしたTシャツ姿。前方にいた観客から驚きの声があがる。この日は彼のトレードマークでもあるフェイスペイントなしでの登場だったからだ。

この日のセットリストは会場にいた人のためだけのシークレットとの事なので詳細の紹介は避けるが、新作に収録されている「WONDERLAND」といった彼自身の楽曲から、彼の母国スウェーデンが誇る世界的ミュージシャン・ABBAの楽曲、ディープなHIP HOPの楽曲達を次々に繋いでいき、加速度的にフロアを熱狂の渦に巻き込んでいく。

そして、我々日本人のためにサプライズというにくいプレゼントも。最後の最後にフロアにドロップされた楽曲は日本のロックバンド・PENPALSの代表曲「Tell Me Why」。「なぜCEOがPENPALS?」と一瞬会場中が呆気にとられた顔をしたのを見て、「してやったり!」とでも言うようににやりと笑った彼の姿が忘れられない。

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 22:00 – Spincoaster’s Curators

CEOがステージを去ってからラストの30分は、spincoasterキュレーター達が入れ替わりで一曲ずつセレクトしていくDJタイム。

各出演者の前後に登場したDJ達のセレクトも含め、邦楽洋楽、そして音楽のジャンルを問わず次々にドロップされる楽曲達に、spincoasterキュレーター達のバックボーンの幅広さを感じずにはいられなかった。

盛況のまま終了した第1回SPIN.DISCOVERY。これからSpincoasterとして様々なことを仕掛けていくとのこと。今後の更なる展開にも期待大だ。

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<Spincoaster’s Curators DJセットリスト>
Kohei Nojima – The Royal Concept / On Our Way
Takazumi Hosaka – CEO / Come With Me
Hiroyuki Oyama – Washed Out / Great Escape
Takumi – Architecture In Helchinki / I Know Deep Down
Tomokazu Suga – Bjork / Crystalline (Omar Souleyman Remix)
deidaku – Kodaline / After the Fall
miyuatao – オノマトペ大臣 / IF I FEEL BETTER (featuring Phoenix)
Aoi Kurihara – Magic Wands / Black Magic (Crystal Fighters remix)
Ryotaro Ohkawa – LCD Soundsystem / All My Friends
Jun Hayashi – Scissor Sisters / I Don’t Feel Like Dancin’

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