NEW MUSIC

Jay Park / Raw Sh!t (Prod. by DJ Wegun)


ポップ/R&B路線からラップ・モードに回帰したJay Parkが、ストリートを舞台にした緊張感ある新曲を公開!

2017.04.05

Joy Divisionに憑りつかれたかのように冷ややかな西海岸のラッパー、Vince Staplesの「Norf Norf」のイントロをスロウ再生させたかのような、1:46~の危険そうなムードを聴いてハッとしてしまった。

韓国の人気ラッパー/シンガーで、ヒップホップ・レーベル〈AOMG〉を率いるJay Park(ジェ・ボム/パク・ジェボム)がサプライズ・リリースしたシングル「Raw Sh!t」は、つい先日「The Heat Part 4」「HUMBLE」と立て続けに新曲をリリースしたKendrick Lamarをつい思い出してしまうほどに、ラッパーとして周囲を凌駕するレベルであることを豪語するような、大きなインパクトを擁した一曲だ。

加えて、わざと経年劣化したようなフィルムで撮られたビデオ、そもそもこれまでビーチやクラブなど賑やかな場所でシューティングされることの多かった彼のビデオの舞台が曇天のストリートへと移っていること、そして時折差し込まれる冷ややかなピアノや前半と後半で別々のビートを差し込むDJ Wegunによるプロダクション……。こうした要素がさらにこの楽曲の緊張感を高めていく。

先月リリースされた「Hulk Hogan」を含め今年のJay Parkは、トロピカル・ハウスとダンスホールをなぞった「Me Like Yuh」を筆頭にアルバム『Everything You Wanted』で見せていた昨年のポップ/R&B路線からラップ路線へと一気に回帰している。
トレンドへの目配せ(例えば2013年ごろのEDM路線にしても、実際に「This ain’t Dj Mustard, This is Grey on the beat」とラップしていた当時のYG x DJ Mustardのタッグ風にしても)や双方のスキルの向上も提示しながら歌とラップを行き来するその柔軟性において、Jay Parkの右に出るアーティストはいなさそうである。

昨年のシングル「Me Like Yuh」はこちら。

(Text By Daichi Yamamoto)


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