Interview

Breakbot

ディスコ〜ファンク再評価な流れにちょっとだけ遅れて帰還した、マイペースなフレンチ・ディスコ番長にメール・インタビューを敢行!

Busy P率いるフレンチ・ハウス〜エレクトロ界隈における最重要レーベル、〈Ed Banger〉の秘蔵っ子とも呼ばれるThibaut Berlandによるプロジェクト、Breakbot(ブレイクボット)によるおよそ3年半ぶりとなる待望の新作『Still Waters』が、本日国内盤としてリリース!

……そもそも彼が最初に大きな話題を集めたのは、2010年のシングル「Baby I’m Yours feat. Irfane」の特大ヒットに端を発する。同シングルはダンス/クラブ・ミュージックという枠を悠々と飛び越え、世界中のポップ・ミュージック・リスナーから愛されることになった。
そこから同曲のRemix EPやシングル『Fantasy』を挟みつつも、デビュー・アルバムをリリースしたのが2012年。そしてこの度リリースされた2ndアルバムが先述の通りそこから3年半後……と、どこまでもマイペースなこのBreakbot。

皆さん御存知の通り2012年からこの2016年の間には、彼が最も得意としている70年代〜80年代ディスコ〜ファンク回帰な流れが巻き起っていたにも関わらず、そこに乗っかることもなくその間沈黙を続けるというこの間の悪さを発揮する。
……いや、しかし、きっとそんなマイペースなところも含め、彼の魅力なのでしょう。

そんなディスコ〜ファンク再評価な流れにちょっと遅れてきたフレンチ・ディスコ番長、Breakbotに待望の新作について、メール・インタビューで様々なことを訊いてみた。

Interview & Text by Takazumi Hosaka


—あなたはキャリアをスタートさせた当初からディスコからの影響が色濃く現れていましたが、ここ数年で世界的に起こっている、ディスコ〜ファンク、ソウルなどのブラック・ミュージックに対する再評価――例えばMark RonsnやBruno Marsの新作などに顕著な、こういった流れはどう受け止めていますか?

とても嬉しいことだね。こうしたジャンルが浸透していけばいくほど、楽しみが増えていくよ!
今後も僕らのポップ・ファンクやディスコに対する愛を、もっとみんなとシェアしていきたいと思っているよ。

—そもそも1981年生まれのあなたがディスコ・ミュージックに惹かれるようになった経緯、そして理由を教えてもらえますか?

僕たちの身近に、素晴らしいレコード・コレクターがいたんだ。それがキッカケとなって、自分たちのコレクションも集め始めることになった。長いこと様々なレコードを探し続けているんだけど、今でも忘れ去られたレコードの中から宝物を見つけると、子供のように喜んでしまうよ!

—あなたと長年のコラボレーターでもあったIrfaneは現在ではBreakbotという名義の中に加わったそうですね。彼が加わるようになった経緯を教えて下さい。

2010年、僕が〈Ed Banger Records〉と契約した頃、ちょうど自分の作品に合うヴォーカリストを探していたんだ。そんな時に、共通の友人を介してIrfaneと知り合った。Irfaneと僕は、お互いに足りない部分を埋めあうことができるから、コラボする際もすごく楽しめたよ。そのこうしてるうちに、自然流れでメンバーとして共に歩んでいくことになっていったんだ。

—Irfaneはあなたにとってどういう存在なのでしょうか?

彼はとても素晴らしいコラボレーターであるとともに、今では僕の大親友でもある。

—およそ4年ぶりの新作となる『Still Waters』についてお聞きしたいのですが、この収録曲はいつ頃から書き溜めていたものなのでしょうか?

2年くらい前からだね。

—今作にはロンドンを拠点とする女性SSWであるYasminや、Irfaneの恋人も参加しているようですね。この他にゲスト・ミュージシャンがいれば教えて下さい。

アルバムの最終段階で、仕上げやミックスなどを僕の兄弟が手伝ってくれたんだ。彼はアルバム制作時においてとても重要な役割を果たしてくれた。
あとは、僕たちの友人であるJim Grandcampにベースとギターを担当してもらったよ。

—今作のタイトル『Still Waters』は、アルバムの13曲目に位置するインストゥルメンタルのタイトルでもありますが、このタイトルに込められた意味を教えて下さい。

これは人間の人格に関する隠喩になっているんだ。表面的には穏やかなんだけど、その奥底には沸き立つ様々な感情が存在する。つまり、「静かに流れる川は、深さがある」というのと同じなんだ。

—前作『By Youe Side』は全てabelton live(DTMソフト)とmidiキーボードで作ったそうですが、今作ではヴィンテージのアナログ機材なども導入したそうですね。今作の制作環境についてもう少し詳しく教えてもらえますか?

今作の制作に取り掛かった当初は、それまでと変わらずにラップトップにabelton live、そしてMidiキーボードを使用して、前作と同じような形で進めていたんだ。
でも、更にサウンド・プロダクションを追及していくにあたって、さっきも言ったとおり兄弟に手伝ってもらうことにしたんだ。彼は天才的な才能を持っているから、それまで作っていたサウンドを別の音に置き換えてくれた。
それからシンセだったらMemorymoog、ROLAND SH-3、JUNO-106と60、Arp Solina、ドラムマシーンはLinn Drumなどを使った。もちろんピアノやベースといった類いの生楽器も使用したね。

—前作と今作における、サウンドの違いをあなた自身の言葉で表すとしたらどういった表現になるのでしょうか?

このアルバムのほうが、前作と比べてより本質的なアルバムだと言える。さらに今回の作品は、Irfanceと僕の親密なコラボレーション作品になっているんだ。

—現在のフランス国内のエレクトロ、ハウスのシーン、特にEd Banger周辺のシーンについて教えて下さい。国外から眺めていると、2000年代後半頃の盛り上がりに比べるとだいぶ落ち着いているとは思うのですが、実際はどのような状況でしょうか?

その一員となっていることを、とても光栄に思うよ。フランス音楽の歴史の中に、僕たちの地位を固められるように努力しようと思っているよ。

—「2Good4Me」のMVでは日本のロリータ・ファッション文化を引用したものになっていますが、日本という国に対してあなたはどのようなイメージを抱いていますか?

僕は日本のアニメや漫画とともに成長したから、日本が大好きなんだ。だから僕自身、日本の文化と深くつながっていると感じているよ。日本は、美学の分野においても、他の国にないような特殊なものがあるよね。
しかもここで食べ物の話を始めたら、もはやキリがなくなっちゃうよ!


breakbot_stillwaters

Breakbot『Still Waters』
Release Date:2016.03.23
Label:Warner Music Japan
Cat.No.:WPCR17074
Price:¥2,138 (Tax-Included)
Tracklist:
01. Back for More
02. Arrested
03. The Sweetest Romance
04. 2Good4Me
05. My Toy
06. Get Lost
07. Turning Around
08. Man Without Shadow
09. All It Takes
10. Wet Dream
11. Too Soon
12. In Return
13. Still Waters
14. Star Tripper(日本盤ボーナス・トラック)

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