D.K. / S.K.

No Man's Ground

D.K. / S.K. / No Man's Ground
余白と透明なシンセによって浮かび上がる、精巧でメランコリックな極上アンビエント

これまでJonny Nash(レーベル主宰)とSuzanne Kraft(S.K.)の作品のみリリースしてきたロンドンを拠点とするレーベル〈Melody As Truth〉。インタビューでは「一緒に何かを作って合えば、他のアーティストをリリースするかも」と語っていたが、なんとその先陣を切って同レーベルとコラボ果たしたのは、様々な名義を使い分けるフランス人プロデューサー、D.K.。

彼は45ACPとしてロウなハウスを〈L.I.E.S. Records〉などからリリースする一方、D.K.名義ではフランスの〈ANTINOTE〉から優雅なシンセを駆使した極彩色のニューエイジ・サウンドを披露。名義の使い分けの器用さだけでなく、確かな爪痕を作品として刻んできた彼が、D.K.名義でSuzanne Kraftとコラボというのは熱くならざるをえない……!

薄く優美なリバーブが全体を覆う中、零れ落ちるかのような鍵盤のタッチに一瞬だけ反射のように光るシンセ。空間と余白は存分に使い、息を呑む程美しい一音へと際立たせる〈Melody As Truth〉の美学を感じ取ることができます。

このレーベルは音の統一感だけではなく、レーベル・ロゴやアルバムのアートワークからも並々ならぬコンセプトと拘りが伝わってきます。〈Melody As Truth〉というレーベル名の美しさに始まり、文字の並びのバランス、レーベル・ロゴの余白、2015年までの具体と抽象が入り混じったようなアートワーク。今作においてもD.K. / S.K.というイニシャルの並びは確実に意識されているでしょう。彼らの整然とした品格には思わず敬意を表してしまいます。

本作は9月の初めにリリースと告知されていましたが、どうやら遅れているようで、現在、レーベルのSoundCloud詳細欄には10月16日(月)リリースと記載されています。

Ryota Suto

Curator

Ryota Suto

シンセと淡いリバーブに包まれながら、Feedlyと大学と都内を行ったり来たり。Bandcampは入り込むと日が昇るまで抜け出せない。新譜が好きです。