特別鼎談

The Josephs × TOMMY (BOY)

フランス、大阪、東京を拠点とするThe Josephs、その特異な出自を暴くスペシャル鼎談!

タワーレコードがネットレーベルの〈Ano(t)raks〉と新設したレーベル〈LUCK〉の第2弾アーティストとして、evening cinemaに続く形で1stアルバム『DUNE』を10月にリリースした大阪を拠点とするThe Josephs(ザ・ジョセフス)。

圧倒的な存在感を放つシンガー、Juliaの歌声を中心に据えながらも、どこか懐かしくもある風通しのいいギター・ロックを展開する彼らは、シティ・ポップやブラック・ミュージック的なアプローチが蔓延する国内インディ・シーンとはつかず離れずな絶妙な距離感を置いた、不思議な存在だ。

今回、そんなThe Josephsの正体を暴くべく、国内でいち早く彼らをフックアップしていたTOMMY氏との鼎談を敢行。彼は渋谷に居を構えるファッションと音楽のリンクを掲げたセレクト・ショップ・BOYの店主でありながらも、日々様々なイベントへDJとしても出演を果たす、東京インディ・シーンのハブ的な人物のひとり。
そんな彼とバンドの出会いなども含めつつ、The Josephsの特異な出自、シーンにおける立ち位置などを紐解くことに。

Interview & Photo by Takazumi Hosaka
Styling by TOMMY
衣装・撮影協力:BOY
(※The Josephsのふたりの衣装はBOY取扱商品です)

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—まず、TOMMYさんとThe Josephsの出会いの経緯は?

TOMMY:最初にInstagramで僕のことをフォローしてくれたんですよね。その時はもちろん面識はなかったんですけど、フォローしてくれたからちょっと飛んでプロフィールを拝見して。そしたら「あ、この人バンドやってるんだ」って思って。で、YouTubeのリンクもあったので、そこから飛んでMVもすぐ観たんです。それがとてもカッコよかったので、自分もフォローを返しました。そしたら割と早い段階で来年何かリリースするみたいなことを匂わせてきたので、すぐにメールして「何かリリースする機会があればうちでも置きたいです」っていう話をして。

Naoaki:あの時はまだCDを出せるとか何も決まってなかったんですけど、とりあえず自分たちでiTunesとかでシングルを出していたんです。それでMVも自分たちで作って、それをどうやって広めようかって思った時、まずInstagramでフォロワーが多くて影響力のある人っていうのを探すことにしたんです。この界隈、インディ・ロックとファッションのクロス・オーバーする辺りを探ってると、大体みんなTOMMYさんのことをフォローしていて。

TOMMY:いや、それは言い過ぎ(笑)。

Naoaki:いやいやいや、本当ですって! 僕が髪を切ってもらってるオシャレな大阪の美容師さんもTOMMYさんのことを知ってましたし(笑)。
それでTOMMYさんをフォローしたんですけど、最初は僕らも曲を聴いてもらえたらラッキーだなって感じだったんですけど、まさか聴いて頂けて、さらにご連絡も頂けるなんて……って感じで。その時はまだレーベルも何もお声掛け頂いていない状態だったんですけど、こうなったら自主でもいいから作ろうかなって思って、もしそれでもよければ置いてくださいっていうお願いをしました。
で、その後に今回のレーベル〈LUCK〉からお話を頂いて、CDを出せるってなったので、そのタイミングでまた「是非置いて欲しい」っていう連絡をして。

TOMMY:回数は少ないけど何だかんだで10ヶ月ぐらいやりとりしていて。こっちも是非置きたいっていう気持ちでしたし、たぶん相思相愛状態でしたね(笑)。

Naoaki:僕は一方通行なのかもってちょっと不安になって、ご挨拶に行きましたよね(笑)。

TOMMY:あの、「覚えてますか?」って言われて(笑)。「もちろん覚えてますよ!」って。結構途中から心配してる感は伝わってきてたんですけどね(笑)。

Naoaki:そうそう。なんかもう時間も経っちゃったし、普通に東京に来て「こんにちは」って(笑)。

—TOMMYさんはThe JosephsのMVを観た際はどのような印象を受けましたか?

TOMMY:そうですね、単純に曲が好みだったのと、MVの撮り方とか色彩感覚とか、そういったものから……何ていうか、好きなものが近いというか、価値観が近いっていうのはすごい感じたんですね。あのMVは完全に自分たちでDIYな感じで作ったんですよね?

Naoaki:そうですね。

TOMMY:もっとお金をかければ洗練させられるかもしれないけど、その自主で作ってる感じが、これはこれでいい味を出しているなって。あとはやっぱりボーカルの存在感がずば抜けてましたね。これは中々出てこないというか。それで一発で記憶に残って、ツイートしたんです。そしたらカメラマンの古溪一道さんも反応してくれたり、色々リアクションがあって。なので、これはやっぱりうちでも取り扱うべき作品になるだろうなって。

Naoaki:本当にMV作ってよかった……(笑)。

TOMMY:でも、その前の段階で、プロフィールからYouTubeに飛ぶ段階で、ある程度何か雰囲気とかからグッとくる感じじゃないと観なかったりするんですよね。全部が全部チェックできてるわけでもないので。だから、そういう意味でも結構必然だったのかなって。

Naoaki:TOMMYさんのところに色々なバンドから連絡とかはきたりするんじゃないですか?

TOMMY:そうですね。毎月きます。でも、その時グッとくるものがなかったらお断りもしているんです。もちろん「いいな」って思うものは積極的に置かせてもらってます。インディ・レーベルの方々からも日ごろレコメンドして頂いたりもしますし、最近ではライブ会場限定の作品など、そういったうちでしか買えない作品とかも結構置くようになったんですけど、やっぱり何かしらのエクスクルーシブ感があった方が明らかに動きもいいんですよね。
あとはアーティストと関係性を築いて、アーティストもうちも相互に作用していく、っていう方がいいなって思って。なので最近は自主制作盤とかも多めに取り扱っていますね。

Naoaki:断るっていうのも結構辛そうですね。

TOMMY:辛いです。本当は嫌ですよ(笑)。でも、やっぱり何でも置くってなっちゃうと、この店の価値がなくなっちゃうと思うので。最終的にはやっぱり自分の価値観でしっかり判断を下さないと。

Julia:ラッキーだったね。

Naoaki:やってみるもんやね(笑)。

—The Josephsのサウンドっていうのは、ここ最近東京などで盛り上がっているインディ・バンド界隈のシーンには、ありそうでなかった音のような気がするのですが、国内インディ・シーンに精通しているTOMMYさんはどのように感じますか?

TOMMY:そうですね。例えば4年前くらいにThe fin.に出会った時の感覚に近かったんですけど、やっぱり女性ボーカルっていう点では、あまり他に例えるようなアーティストがいないんですよね。
あとは自分が中学生くらいの時に聴いていたThe White Stripesとか、Yeah Yeah Yeahsとかにも近いモノを感じたり。なので、どっちかというと最初に聴いた時も海外のインディ・ロック・バンドを彷彿しましたね。

—確かに。また、The fin.が出てきた頃はチルウェイヴがあったり、例えばそのちょっと前にはネアオコ、シューゲっぽいのが少し盛り上がったり、最近でいえばいわゆるシティ・ポップだったりと、ここ数年の国内インディ・シーンというのは、わりと明確な参照点があるシーンが多かったと思うのですが、The Josephsはそういうところと絶妙な距離感を保っている点がおもしろいなと思います。The Josephsとしてのバックグラウンドを、敢えて挙げるとするならばどの辺りになるのでしょうか?

Naoaki:バックグラウンドっていう意味では……。

Julia:本当にみんなバラバラだよね。

Naoaki:恥ずかしながら、あんまりジャンルとかもわからなくて。Juliaの歌声の存在感が圧倒的なので、そこを中心に考えているっていうのもあり。あとはメンバーそれぞれが好きな音楽も別々なので。

Julia:私はお父さんの方の家族がテキサス出身なので、土地に根付いたアメリカン・ルーツ・ミュージックというか、本当の意味でのフォーク・ミュージックですね。子供の時はそういうのを聴いていました。高校生くらいになったらPink FloydとかNirvana、The Smiths、The Cureなどなど……色々聴くようになりましたね。

Naoaki:でも、The SmithsとかThe Cureとかは結構みんな共通してるよね。あと、このバンドを一緒に立ち上げたKazunari Yoshida(Gt.)は、結構ラウド系が好きで。元々エモやスクリーモ、ハードコアとかをやってたんですけど、大学ではインストのシューゲイズ・バンドを一緒にやっていました。でも、同時にずっとUKの音楽も並行して聴いてて、徐々にそういうのがやりたくなってしまったんです。たぶんそういうところが、The Josephsとしてのスタートになってはいると思いますね。そこにそれぞれ細かいアイディアを詰め込んでいったり。

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—UKロックというのをもっと具体的に言うと?

Naoaki:2000年代以降のインディ・ロックとかももちろん好きなんですけど、90年代のマッドチェスターとか、80年代とかのポスト・パンクというかニュー・ロマンティクスというか。とにかくNew OrderとJoy Divisionはめちゃくちゃ好きですね。で、その繋がりでアメリカですけどThe Killers(New OrederのMVに出てくる架空のバンド名を由来とする)とか、The Strokesみたいな、アメリカだけど先にUKで火がついたようなバンドとか、その辺りにはすごく影響を受けていますね。なので、広い意味でのUKロックですね。

TOMMY:あぁ、やっぱりって感じです。僕も中学くらいの頃が一番洋楽にのめり込んでいた時期だったんですけど、The StrokesとかThe Killers辺りには異常にハマってましたね。ちょうどその頃、同時にブリット・ポップとかも遡って聴いていて、自分の洋楽の根っこの部分ってたぶんそこら辺になっているんですよね。だから、The Josephsは自分の感性と似ているような気がしてきました。

Naoaki:でも、TOMMYさんはそこからグワーって聴く範囲を広げていったと思うんですけど、僕とかは結構そのままで。興味のある部分にしか手が伸びないというか。最初にTOMMYさんがTwitterか何かで紹介してくださった時、Yeah Yeah Yeahsを引き合いに出してくれたと思うんですけど、僕実はあの時は知らなくて(笑)。

Julia:私はYeah Yeah Yeahs好きだったけど(笑)。

Naoaki:あ、好きやったん? 僕は知らんくて。逆にそこから入ったくらいで(笑)。それくらい凝り固まっているんですよ

—ちなみに、JuliaさんはThe Josephsの前にバンドを組んだりってことは?

Julia:全くやってないですね。あの……田舎の教会で歌ったたりとか、それくらいですね(笑)。
テキサスの田舎の教会の音楽って、いわゆる教会音楽とは違って、ちょっとブルースっぽかったりするんです。そういうのが私はルーツになっているのかもしれないです。

Naoaki:それは大勢で歌う感じなの?

Julia:それもあるし、2人だけで歌ったりとかもある。あと、フォーク・ソング以外だと、ジュニア・ハイスクール時代はカリフォルニアのバークレーという所に通っていたんですけど、その周囲はGreen Dayの地元でもあるっていうことで、音楽シーンが盛んなところだったんです。ハイスクールもCCR(Creedence Clearwater Revival)のメンバーの母校っていうこともあり、街全体にインディ・バンドとかがたくさんいて。美術の先生がいきなりThe Beatlesをギターで弾き始めたりとか。そういう環境から受けた影響っていうのは強いと思いますね。

—では、NaoakiさんとJuliaさんの出会いというのは?

Naoaki:さっきも少し話したKazunari Yoshidaと、元々Dearjonっていうバンドを組んでたんです。で、ずっとボーカルを探していて、ネットで募集をかけていたんですけど、僕のこだわりが強いっていうのもあって、生半可なボーカルじゃ納得できなかったんですよ。
でも、実はその募集で一番最初に連絡をくれたのがJuliaだったんです。その時SoundCloudにUPされていた音源を聴いたら……もう、とにかくすごくて。本当にその音源を聴かせたいくらいなんですけど(笑)。最初、ちょっと黒人のソウル・シンガーなんじゃないかと思うくらいで。
で、とりあえず一回会って、ご飯食べてカラオケ行ったんですよ。そしたら宇多田ヒカルがめちゃくちゃ上手くて。あれはビビったな。ハイタッチしたもんな。

Julia:したね(笑)。

TOMMY:宇多田ヒカルの何の曲ですか?

Naoaki:「First Love」ですね。

TOMMY:うわー、すげー想像できる。「First Love」の歌入りのところとか(笑)。

Naoaki:そう、めちゃくちゃいいんですよ。本当に。そこで友達にはなったんですけど、ただ、当時の僕はなぜか男性だけでバンドを組みたいと思っていて。Juliaは歌が上手いし、容姿もめちゃ整っているけど、バンドには加入せずで。
それ以降も応募してきてくれた人にひとりひとり会って、カラオケ行って、考えたりしていたんです。でも、僕のこだわりのせいでやっぱり断ったんですよね。あの時は本当に申し訳ないことをしたと思っています。今思えばJuliaの衝撃を引きずっていたのかもしれませんね。それで最終的にやっぱりJuliaがいいってなって。「ごめん、おれが間違っていた」って送りましたもん。バンドに改めて誘った時。

TOMMY:別れた男女みたいな(笑)。

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—ハハハ(笑)。Naoakiさんがネットに出していた募集っていうのはどのようなものだったのでしょうか?

Julia:何か好きな音楽がいっぱい羅列してありましたね。それが結構自分と近かったっていうのと、あとはビックリマーク(!)をいっぱい使っていて……なんていうか、頑張ってるなって(笑)。

TOMMY:ハハハ(笑)。ちょっと意外な一面が(笑)。

Julia:あ、あと英語だったんですよ。だから私にとっては読みやすくて。文面からもなんとなくいい人かなっていうのは伝わってきて。

Naoaki:あと、文章かなり長かったよね。

Julia:そうそう。他の募集は結構シンプルだったり、短かったりしたけど、彼のはすごい詳細に書いてあったんです。

—すごい基本的な話になるのですが、そもそもJuliaさんはいつ頃から日本にいらっしゃるのでしょう?

Julia:3年前くらい、ちょうど大学を卒業してからですね。「このままアメリカにいたらアメリカ人になってしまう」って思って(笑)。
向こうでも日本のTV番組が少しだけ観れたりするので、宇多田ヒカルを『ヘイ!ヘイ!ヘイ!(HEY!HEY!HEY!MUSIC CHAMP)』で知ったり。
アメリカから大阪に引っ越してきて、一番最初の友達がNaoakiだったんです。それまではひとりでSoundCloudとかに弾き語りみたいなのをUPしたりしてました。

—では、Juliaさんが加入したことにより、The Josephsの方向性や当時志向していた音楽性に変化はありましたか?

Naoaki:いや、意外とそれはなくて。っていうのも、僕らのバンドの事情が少し特殊なんです。2014年末〜2015年の始め頃、あの冬にJuliaに例の「おれが間違っていた」っていうメールを送ったんですけど、既にその段階でフランスに行くっていうことを彼女は決めていて。
なので、活動できても1年だなっていう風に思ってたので、真っ先に僕らだけで前々から作っていた曲を持ち寄って、レコーディングに入ったんです。ただ、Juliaが忙しくてあまり会う機会がなく、メロディも歌詞もこっちで付けちゃってたんですよ。なので、正直キーが合うかどうかすらもわからなかったんですけど、せーので練習してみたら、Juliaの声域がめちゃくちゃ広くて、キーも全部そのままで歌えたんです。なので、アルバムを通して、様々な音域のボーカルの曲が入っているんですよね。

—なるほど。それこそ低い方の声の出し方は、どこかPatti Smithっぽいなとも思いました。

Naoaki:あ〜そうですね。僕も低い方の歌い方のほうが好きなんですけど、でも本当にいろいろな人を引き合いに出されるよね。

Julia:うん。嬉しいです。

—逆にThe Josephsの曲をバッて提示されたJuliaさんは、その時どう感じましたか?

Julia:実は一番最初にThe Josephsの曲を聴いたのは、前のボーカル候補さんとのレコーディングを手伝う時だったんです。その時初めて聴いて、曲は好きでした。ボーカルはどうなんだろうな〜って思ってたけど。

Naoaki:おれがJuliaを断ってまで入れようとしてたボーカルなのにな(笑)。

Julia:正直、私がイメージしていた、作りたいと思っていたサウンドとはちょっと違ったんですけど、純粋にいい曲だなって。あと、「Dusk」とか「Daytona Drive」とかはその後からみんなで作り上げていくっていう感じだったので、私も少し関わっていて。

Naoaki:リリックも今回は僕とJuliaで半々くらいで書いてるんですけど、次回からはもっとJuliaに書いて欲しいなと思っています。彼女は元々詩が好きで、書く詩も文学的なんですよね。

—Naoakiさんの書く英詩を、Juliaさんは実際に読んで歌って、どう思いますか?

Julia:やっぱり英語なので、ちょっと直したりもするんですけど、極力彼が書いた詩そのままで歌ってます。やっぱり日本人の彼が英語で書くと、アメリカ人とかイギリス人みたいな、英語を母国語とする人が書く詩とは違った表現が出てくるなって。そこを直しちゃうと、なんていうかすごい普通な感じになってしまうので、それはもったいないなって。

Naoaki:そうそう。僕の書いた詩とメロディは日本的だって言われて。最初はちょっと歌いづらそうでした(笑)。

Julia:ビートの取り方というか、言葉のはめ方とかね。

—「Daytona Drive」のMVはDIYで制作されたとのことでしたが、編集などもNaoakiさんが?

Naoaki:そうですね。映像編集は素人だったんですけど、色々な人に聞いたり、調べたりしながらなんとか……。ただ、デザインは勉強していたので、多少の応用は効くだろうって思って始めました。案の定大変でしたけど(笑)。

—撮影も自分たちで?

Naoaki:そうですね。ほとんど偶然の産物みたいなところがあって。車のシーンとか、あの車を持ってる友人がほんまに撮影当日に来てくれるかどうかも微妙なところだったりして(笑)。

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—車内のシーンも印象的でしたが、ガレージでの演奏シーンもとてもインパクトがありました。日本のバンドっぽくないというかなんというか。

Naoaki:あれは友人が務めている会社の倉庫を使わせてもらったんです。撮影メンバーとかも、実際は来てくれるかどうかも曖昧で。ちょうどシルバー・ウィークだったんですけど、友人知人に「僕ら今こういう音楽をやっていて、今度MV撮るので、撮影現場に遊びに来てよ」みたいな感じでメール送って。実際当日来たら「え? おれらが撮るの?」みたいな(笑)。

TOMMY:それも告げずに?

Naoaki:告げたり告げなかったり……。本当に偶然が重なってできたMVです(笑)。

Julia:MVを作ろうって思ったタイミングも遅かったもんね。でも、決めてからはパッパッパッとすぐできた。

Naoaki:そうですね。撮影は2日で終わって。素材さえ揃えばあとは編集勝負なので、そこから2ヶ月くらい篭って編集して完成しました。平日仕事してるので、土日は家に篭って作業して。まさに地獄でした(笑)。

TOMMY:あのMVを観た時、自分たちの好きな世界観とか、そのニュアンスみたいなものを伝えられてると思ったんですよね。「わかる、わかるんだけど、何かちょっと足りないんだよな……」っていうMVとかもいっぱい観てきてるんですけど、そこがThe Josephsに惹かれたポイントというか。

Naoaki:それは本当に嬉しいです。あの、お金とかの関係でDIYでやらざるをえないっていうのは確かにあるんですよね。でも、ちょっと考え方を変えると、メンバーとワイワイしながら音楽も作れるしデザインもできる。さらには映像も作れるし、人前でパフォーマンスまでできるっていう、バンドってめちゃくちゃ楽しいなって思いますね。こんな楽しい遊びは他にないだろって。
あと、あのMVを作ってから、ようやくちゃんとした自分たちの名刺のようなものが出来たなっていう感覚もあって。色々な人に取り敢えず観て、聴いてもらえるようになって、どんどん人を巻き込むことができるようになったっていう実感があります。

—アルバム『DUNE』のアートワークもとてもスタイリッシュな仕上がりでしたが、あれもご自分で?

Naoaki:いや、あれは違うんです。僕、デザインの勉強をするために1年半くらいロンドンに住んでいた時期があって。その時に出会った師匠のような人がいて、そのヤマダアツシさんっていう方にお願いしました。ヤマダさんには絶大な信頼を寄せていて、向こうにいた時には一緒にライブを観に行ったりもしていたので、ヤマダさんなら絶対に僕らの音楽やキャラクターを汲んだ上で、素晴らしいアートワークにしてくれるだろうなって思って、今回はお願いしました。

—あの砂でできているようなデザインは、全て実写なのでしょうか?

Naoaki:実写です。砂を買ってきて、小さいスタジオに砂を敷いて……。僕が到着した頃にはすでに結構な砂丘ができていたんですけど、あの、砂丘って手とかで作れないんですよね。

—やっぱり、手とかではあの滑らかな曲線はできないと。

Naoaki:そうなんです。なのでドライヤーとかの風で作らないと、滑らかな砂丘ができないんですよ。それで、フォトグラファーの方に撮ってもらって。

—先程もお話に出たとおり、The Josephsは仕事しながらバンド活動をしていますが、ある意味生きていく上での、生活の軸ともいうべきものが2本ある状態ですよね。この2本の軸に対しては、どのように折り合いをつけているのでしょうか?

Naoaki:そうですね。実は今に至るまでに5人ほどバンドを抜けたりしているんです。それぞれ事情があるんですけど、バンドを結成したばかりの頃って本当に泥臭い作業とかも必要で、やっぱり曲だったりコンセプトだったり、確固としたものを僕が提示できてなかったっていうのが大きかったと思うんですね。でも、今のメンバーは単純に……みんなめちゃくちゃ音楽が好きなんですよね。だから、そこに付随する色々な作業も楽しめるというか。さっきも言った通り、音楽好きにとって、バンド活動っていうのは一番楽しい遊びだと思うんですよ。
あと、それぞれ仕事としての夢とか、家庭としての夢とかももちろんあると思うんですけど、絶対にそれを犠牲にはしたくないっていう風には思ってて。それでいて、音楽もやめたくない。辛いというか大変な時もあるんですけど、すでにライフ・スタイルのひとつになっているというか。

そもそも、僕らがバンドを始めるきっかけになった大阪のあるバンドはメンバー全員がしっかりと働いていて、結婚している方や子供がいる方もいて、それでいてすごい曲の制作スピードとライブ本数で、その姿勢というか生き方、考え方が当時本当に衝撃で。本当にかっこよくて。そのバンドと出会ってから、仕事してるからバンドできないなんて言い訳はできないなって、もう一回本気でバンドがしたいなって、強く思いました。
メンバーは大阪で、Juliaはフランスで、僕は実は来年から東京在住になるんですけど、そういった物理的な距離もバンドをやめる理由にはなりませんし。確かにライブは少ないかもしれませんけど、その分作品作りに集中できるのかなって。

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—なるほど。やや強引な結びつけかもしれませんが、お店を経営している傍ら、様々なイベントに多数DJとして出演しているTOMMYさんも、言わば二足のわらじを履いている状態だと思うのですが、TOMMYさんの場合はどうでしょう?

TOMMY:今は仕事でも音楽と携わるようになっているので、完全に仕事とDJを切り離せるわけではなくて。DJを経て得た経験や繋がりなどは仕事に反映できるものがすごい多いですし。
あと、元々DJは学生の時に始めたことだったんですけど、結局その好きで始めたことが後々仕事にも繋がってきて、今自分が好きなバンドとかと一緒に何かできてるっていうのが、……なんていうか、すごい幸運なことだと思うし、Naoakiくんがバンドは最高に楽しいって言ってるのと同じように、DJもめちゃくちゃ楽しいなって。まぁ僕は仕事とプライヴェートの境目がなさ過ぎるっていうのもあるんですけど(笑)。

—Juliaさんが日本に帰ってきてるこのタイミングで、The Josephsはすでに新たな曲作りなどは始めているのでしょうか?

Naoaki:作り始めています。この前も公園で2人でギター弾きながら作ってました。曲のデモと言うか骨組みを前の日の夜の11時半頃にデータで送ったんですけど、次の日会ったらもう歌詞を作ってきてくれてて。……ヤバいなって(笑)。

Julia:時差ボケで眠れなくて。朝の4時半くらいまで一気にガッと作業してしまったんです。歌詞を書くのも楽しいんですよね。だから途中でやめられなくて。

Naoaki:しかもそれがめっちゃ良かったんですよ。まだ全然見えてきてませんけど、次の作品は今作とはまた異なった感じになりそうです。今、自分たちがカッコイイと思っている音楽が素直に反映されているというか。……あの、ロンドンにいた頃の友人なんですけど、The Vacationっていうやつらがいて。もう今は解散しちゃってるんですけど、そいつらがUPしているリバーサイドをギター弾き語りしながら歩くっていう動画がすごいカッコよくて。やっぱりこれくらい徹底してカッコつけなければいけないんだなって思いましたね。

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【リリース情報】

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The Josephs 『DUNE』
Release Date:2016.10.05 (Wed)
Label:LUCK
Cat.No.:LUCK-1002
Price:¥2,000 + Tax
Tracklist:
1. Back To The Stage
2. San Marino
3. Daytona Drive
4. Rogue Royal
5. Love Beat
6. Dusk
7. Million Miles
8. San Marino (Acoustic)
9. Million Miles (Acoustic)

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