Best Tracks of 2014

takumi

日本のインディー勢や海外のネットレーベルが飛躍した2014年のベストトラック。

今年は編集者として慌ただしい一年を過ごさせていただき、聴く音楽の量も倍くらいにはなったかもしれません。AKB48とFKA Twigsを聴きながら仕事をしていた日々は中々に刺激がありました。

さて、そんな中で2014年のベストトラック5つということですが、個人的には日本のインディー勢やトラックメイカー、海外のネットレーベルの飛躍に尽きる一年だと思っており、集計してみるとやはりそこからのランクインが多かった…(ロックはそこまで大きな潮流が国内外ともになかった年でもあったといえるかも)。ということで、文末では次点の音源も紹介しつつ、ベスト5をどうぞ。

【No.5】tofubeats with BONNIE PINK / time will tell

tofubeatsは、12月10日にリリースされた『宇多田ヒカルのうた』では、宇多田のデビュー曲ともいえる「time will tell」をBONNIE PINKとともにカバー。エッジの効いたビートに、BONNIEの憂いを帯びたボーカルが乗り、同作品の中でも出色のエディットを見せていた。彼は先述のインタビューで「『FKA Twigsになりたいです!』って女の子が現れないのは、時代として問題があると思うわけです(笑)」と語っているが、実際、近年のメジャーシーンでは“艶やかで憂いのある声を持つ新ディーヴァ”の登場が待たれていると言える。(参考:「“ネット発”みたいに十把一絡げにされてるのは面白くない」tofubeatsが明かす“発信を続ける理由”)「time will tell」で目覚ましい成果を上げた彼が、新たなディーヴァの登場に一役買う日も近いかもしれない。(自分で書いたコラムからの引用で恐縮ですが)

今年出した『First Album』は素晴らしい作品でしたが、個人的には彼が「元来志向していた音へ、片手の指先を掛けた瞬間」をこの曲に見た気がしていまして。そう遠くない未来への期待を込めての選出とさせていただきます。


 【No.4】QT / Hey QT

QTがXLからリリースしたことをはじめとした、PC Music周辺のシーン変動は、今年最大の事件といっても過言ではないでしょう。この曲に関してはホサカさんの記事シャンディ氏の論考が非常に読み応えありなので是非一読を。


【No.3】Jailo & AObeats / Fallin’

クオリティに定評のあるビートメイカーコンピ『MOVING CASTLE』の第三弾に収録されている楽曲。最高のハピコアmeetsソウル感。


【No.2】The Chimney Sweeper / Close To The Future

今年ずっと推し続け、FLAKE RECORDSからのデビューやYogee New WavesとのWレコ発などもあり、ある程度届く層には届いたんじゃないかなと思っているバンド。以下、過去に紹介した記事からの引用です。(全文はこちら

J-POPとインディーミュージックの狭間、ファンタジーとリアリティの境界線上でゆらゆら揺れてる、少し靄がかかった極彩色みたいな音色。聴いた瞬間に「これは売れる」と確信した。カントリーやフォーク、インディーポップにロックと、様々なジャンルの音で構成されつつ、あくまでリバーブの掛かった声が前にでる歌モノである同作は、何度聴いてもミツメやROTH BART BARONという近年ブレイクした若手アーティストと比較したくなるほどの良作だ。ただし、この2バンドとはシーンにおいての温度感や立ち位置が違うため、あくまで”近い音”として捉えてもらえればと思う。


【No.1】Balloon at dawn / Ten

間違いなく今年一番聴いた曲。今年、彼らやFor Tracy Hyde、Boyishなどの良質な日本語インディーポップバンドが、同時多発的に良作・良曲を頻発したことで「Galileo Galileiの『PORTAL』以降、時代は大きく変わった」と声を大にして言いたくなる。決して強いとはいえない打ち込みドラムと、カラフルなシンセ、それらに優しく寄り添うバッキングギターと幹を支えるベースは、MVも相まって『6畳間の和室で歌うPassion Pitだ!』と僕に強い衝撃を与えました。また、このバンドは歌詞も秀逸。<10年後踊る君に会いたい>という今年最大級のパンチラインや、<何がいびつかわからなくなる ワンシーズンだけの流行歌 比べて疑ってしまうような そんな劣等感はもういらない>といったグサリとくるフレーズまで、聴くたびにハッとさせてくれる最高の曲ですよ。現在大阪を中心に活動しており、CDは流通こそないものの、通販で売っているそうなのでマストバイです。


次点としてはMVやSCなどの音源が見つからなかったROTH BART BARON「春と灰(Ashspring)」や坂本慎太郎「ナマで踊ろう」など。またFor Tracy Hyde「Her Sarah Records Collection」やシャムキャッツ「MODELS」、ラグチューシャック「似顔絵」なども捨てがたいところでした。。来年は今年多く現れた日本語ポップスを志向するバンドたちにとって勝負の年。メジャーデビューなども大きな動きも見られることでしょう。その様子を逐一お伝えできればと思います。

(Text by Takumi Nakamura)

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